テルモが導入した「ヤッキくん」とは
株式会社EdgeXが開発した薬機法AIエージェント「ヤッキくん」が、医療機器の大手メーカー、テルモ株式会社に導入されました。このエージェントは、医薬品に関する適正な広告基準や業界ガイドラインに基づき、広告資料の内容を自動的にチェックし、改善の提案を行うことができる革新的なツールです。
「ヤッキくん」の機能と利点
「ヤッキくん」は、業務用チャットを活用して利用者が広告資材案を送信すると、AIが関連情報をもとにコンプライアンスレビューおよびメディカルレビューを行います。Retrieval-Augmented Generation(RAG)などの先端技術が用いられており、正確で実用的なフィードバックを提供します。これにより、法律や業界ガイドラインに準拠した資材作成が促進され、企業はコンプライアンスを維持しつつも効率的に業務を進められるようになります。
さらに、企業内に保管されている薬事承認情報や社内ルールを「ヤッキくん」に追加学習させる仕組みもあり、学習したナレッジは次回以降のチェックに反映されます。この循環により、業務の精度向上と効率化が図られます。
導入の背景と目的
テルモはデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する一環として、「ヤッキくん」を導入しました。これまでもコンプライアンスに厳しい基準を設けていたテルモですが、今後はAIによる支援を受け、より質の高い広告資材の作成を目指しています。既存のプロセスを効率化し、時間をかけることなく正確な情報発信ができるようになります。これにより社内のルールを遵守しながら、迅速な対応が可能となるでしょう。
企業からのコメント
テルモのRA部門を担当する磯崎美由紀氏は、「ヤッキくん」の導入によって、リソースが限られた条件下でも品質とスピードの両方を高めた資材作成が実現すると強調しています。また、EdgeXの技術力とサポートの充実により、それぞれのニーズに合ったAIモデルが構築できたことに感謝の意を示しています。
一方、EdgeXの取締役兼CTO、板野智彦氏は、テルモに「ヤッキくん」を導入いただけたことを喜び、業界の高水準な品質とコンプライアンスに対する姿勢が相まって、AIの精度が大きく向上したことを報告しました。
EdgeXの使命
株式会社EdgeXは、「AI技術でヘルスケア業界の構造的課題を解決する」ことを経営理念とした企業です。法規制遵守の難しさや人材不足といった業界の課題を解決するために、革新的なテクノロジーソリューション「ヤッキくん」を提供し、企業の成長と消費者保護の両立を図っています。
今後も、ヘルスケア業界におけるDX進展に貢献していく所存です。