フリーランス協会と損保ジャパンが連携
一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会(以下、フリーランス協会)と損害保険ジャパン株式会社(以下、損保ジャパン)は、フリーランス向けの報酬トラブル弁護士費用保険『フリーガル』の補償範囲を2024年9月15日から拡大することを発表しました。これにより、フリーランス協会の一般会員は著作権や商標権、特許権など知的財産権に関するトラブルにも『フリーガル』を利用できるようになります。
フリーランスの増加と法律的な課題
近年、日本においてフリーランスとして働く人々が増加しています。総務省の調査によると2022年におけるフリーランスの数は257万人に達しており、今後もこの流れは続くと予想されています。フリーランスは、柔軟に働くことができる一方で、報酬の未払いなどトラブルに見舞われることも多いです。
フリーランス協会は2019年に『フリーガル』を開発し、これまで報酬トラブル専用の保険を提供してきました。2021年からはこの保険を自動付帯化し、逆に2022年には自己負担額を0円にするなど、制度の充実を図っています。これにより、多くのフリーランスが報酬未払いの問題を解決し、感謝の声も寄せられています。
知的財産権の侵害に関する現状
しかし、クリエイターエコノミーの発展や生成AIの導入が進む中で、知的財産権の侵害が急増しています。フリーランス協会の調査によると、48.8%のフリーランスが知的財産権の侵害に関する不安を抱えていることが明らかになりました。また、文化庁が設立した法律相談窓口でも、権利関係の相談が最も多く寄せられています。
補償内容の拡大
これらの状況を受けて、フリーランス協会と損保ジャパンは『フリーガル』の補償を拡充します。新たに追加される補償内容は次の通りです:
1.
知的財産権の侵害に関する相談費用と弁護士費用の補償:フリーランスが所有するコンテンツが無断で使用された場合、相談費や弁護士費用を保険金で賄います。年間で2回まで、事故ごとに70万円を限度に保険金を支払います。
2.
加入手続きが不要:既存のフリーランス協会一般会員は、自動的に新しい補償対象となります。新規の会員も入会後60日経過で補償が適用されます。
3.
専門弁護士ネットワークとの連携:知的財産権に特化した弁護士ネットワークとの連携により、スムーズなサポートが可能になります。
目指す未来
2024年11月には「フリーランス新法」が施行され、フリーランスと発注者との取引に関するルールが整備されます。この法律によりフリーランスとしての地位が強化される一方、問題解決には自らの努力が求められます。フリーランス協会と損保ジャパンは今回の保険の拡大を通じて、より良い働き方を実現し、多様な働き方を選択する人々が安心して働ける社会を目指します。
今後は、ベネフィットプランの提供を通じて、フリーランスをはじめとする人々のキャリア支援にも力を入れていく方針です。これにより、働き方のバリエーションに応じた安全で安心な環境の実現を目指していくとのことです。