OKIが高崎市に新拠点「高崎ラボ」を開設
東京都練馬区に本社を置くOKIエンジニアリング(OEG)は、群馬県高崎市に次世代半導体製造ライン向けの化学分析サービスを提供する新しい拠点「高崎ラボ」を開設しました。この施設は2025年7月4日にオープンし、半導体工場の品質向上を目的とした本格的なサービスを開始します。
半導体製造と化学分析の重要性
近年、生成AIの急激な発展に伴い、半導体はますます微細化・高積層化が進んでいます。このような製造環境では、化学物質の管理がより厳密に求められるようになりました。クリーンルーム内の空気汚染や製造工程で使用される薬液中の不純物は、半導体製品の品質に重大な影響を与える可能性があるため、これらを定期的に分析し、異常が発生した際には迅速な対処が不可欠です。
しかし、特に近隣に迅速に対応できる分析ラボが存在しない場合、製造の再開が難しいという課題がありました。そこで、OEGは北関東地域での半導体工場向けの化学分析サービスに特化することを決め、「高崎ラボ」を設立することに至りました。
高崎ラボのサービス内容
「高崎ラボ」では、半導体製品の品質維持に欠かせない空気中の微量化学成分(特にイオン成分など)や、使用する酸、アルカリ、有機溶剤などに混入した不純物の分析を専門技術者が行います。また、対面での技術相談や試料の直接受け渡し、緊急時の対応も可能です。この地域密着型サービスにより、北関東地域の半導体工場の安定した製造とコスト削減に大きく貢献することが期待されています。
今後の展望と地域貢献
当初は高崎市周辺の半導体工場を対象にサービスを提供し、今後は長野県や新潟県などにサービスエリアを拡大する計画もあります。OEGはこれまで、半導体部品の品質向上に貢献する測定技術を多く持ち合わせてきましたが、今後はより多様な半導体関連サービスも提供していく考えです。
「高崎ラボ」の具体的な概要
- - 所在地: 群馬県高崎市西横手町1−1(沖電気工業株式会社西横手工場内)
- - 従業員数: 2名(2025年7月4日現在)
- - 主な分析設備: 1. 濃縮イオンクロマトグラフ
2. ICP発光分光分析装置
販売計画
「高崎ラボ」のサービスの標準価格は個別見積もりとなっており、年間5,000万円の売上を目標にしています。サービス提供は2025年7月から開始され、これからの半導体業界のニーズに応えるための重要なステップとなります。
まとめ
OKIエンジニアリングの新たな試みは、半導体業界における分析技術の進化とともに、多くの企業の生産現場にプラスの影響をもたらすことでしょう。「高崎ラボ」の開設は、半導体製造における品質向上への大きな一歩であると言えます。