大気中のCO2を吸収する革新的な自動販売機
大阪市の「シエリアタワー大阪堀江」に設置される「CO2を食べる自販機」が注目を集めています。この自販機は、大気中の二酸化炭素を吸収し、それを肥料やコンクリートなどの工業原料として再利用することを目的とした画期的な取り組みです。
脱炭素社会への貢献
アサヒ飲料株式会社の近畿圏本部のリーダーとして、清水博之本部長が掲げたこのプロジェクトは、住友不動産、関電不動産開発、そしてパナソニックホームズと連携しています。「シエリアタワー大阪堀江」は2030年に向けての実質CO2ゼロのタワーとして設計されています。居住者が再生可能エネルギーを使用することにより、建物全体のCO2排出を実質的にゼロに抑えるのです。
この自販機は、東京や大阪を中心に、大気中のCO2濃度が高い場所や特定の屋外に約100台設置される計画です。稼働電力由来のCO2排出量の最大20%を年間で吸収する能力を持ち、これをスギの木に換算すると約20本分の量にあたります。
CO2の資源循環
自販機で吸収されたCO2は、各自治体や企業との協力を通じて、さまざまな工業原料として再利用される計画です。吸収したCO2を肥料に加えることで土壌に貯留したり、コンクリートの原料として固定化したりすることが考えられています。また、海洋環境を再生するブルーカーボンの取り組みとの連携も模索されています。
アサヒグループの持続可能性への取り組み
アサヒグループは、グループ理念に基づき、持続可能な社会への貢献を積極的に推進しています。「2060年までにCO2排出をゼロにする」という目標を掲げ、そのための中長期的な戦略を展開しています。この自販機は、未来の環境を守るための重要な一歩として位置づけられています。
シエリアタワー大阪堀江とは
「シエリアタワー大阪堀江」は、超高層ZEH-Mでありオール電化を採用した国内初のプロジェクトです。2024年夏に完成予定で、マンションがまるごと実質CO2ゼロとなることを目指しています。この施設は、経済産業省の超高層ZEH-M実証事業に採択されています。
地域の環境に寄与するこのプロジェクトは、大阪発の新たな持続可能性への試みとして、大きな期待が寄せられています。私たちの未来がこのような取り組みにかかっていることを、改めて考えさせられる機会となることでしょう。