老人ホーム管理費と食費の値上げ実態
高齢者介護サービスを提供する株式会社TRデータテクノロジーが行った調査によれば、日本全国の老人ホームを中心とした434社では、今期(2024年8月〜2025年7月)の管理費および食費が値上げされています。これに関する詳細なデータをお届けします。
調査結果の概要
対象となった434社は、会社と事業所を合わせて7,309ヶ所となり、その中で約4割の企業が管理費や食費の値上げを行いました。この傾向は、近年続く物価上昇の影響と考えられます。
管理費の値上げ
- - 管理費の値上げを行った企業数: 94社(約4割)
- - 平均値上げ額: 6,100円
管理費については、全体平均で6,100円の値上げが見られ、その内訳では1,000〜3,000円の微小な値上げが約4割を占める一方で、9,000円以上の値上げも約2割を占めています。これは特に高齢者向けの住宅を提供している企業で目立つ結果です。
食費の値上げ
- - 食費の値上げを行った企業数: 132社(約4割)
- - 平均値上げ額: 4,900円
食費についても、全体平均で4,900円の値上げが確認され、こちらも1,000〜3,000円、3,000〜5,000円の範囲でそれぞれ約3割が占めている状況です。
3年間の値上げ実績
このデータは2022年から2025年にかけての3年間であり、値上げを行った企業は約6割で、特に両方の値上げを行った企業は31%に達します。興味深いのは、これらの値上げを行わなかった企業は約4割に上り、彼らの施設は比較的安価でアクセスしやすい住宅型のものが多いことが特徴です。
低価格の理由
値上げを行わなかった企業は、主に住宅型の介護施設が多く、その結果、管理費は平均で13,500円、食費は7,500円安いというデータも出ています。これらの企業の多くは、「ホスピス型住宅」を展開しており、これが値上げを抑制する要因の一つと考えられます。
結論
物価高騰の影響で、全国の老人ホームにおいて管理費や食費が値上げされている状況は、今後の高齢者ケアにおける重要な課題となるでしょう。これにより、サービスを受ける高齢者やその家族が直面する経済的な負担が増す可能性があるため、今後の業界動向には注視が必要です。
データ出典
本記事は、株式会社TRデータテクノロジーによる調査データに基づいており、全国の福祉施設のデータベース『福祉施設・高齢者住宅Data Base 2025年度版』を参考にしています。