不揮発性メモリの未来
2018-10-10 15:50:06
次世代のコンピューティング技術を切り開く不揮発性メモリとAIの融合
近年、データセンタの需要が急増し、AIやIoTの進化によってデータの特性が大きく変わろうとしています。このような背景の中で、中央大学を中心とする4機関が、「イン不揮発性メモリ分散Approximateコンピューティング技術の研究開発」に着手することとなりました。今回の研究では、不揮発性メモリデバイスを最大限に活用し、リアルタイムで変化するファストデータに対応した新たなデータ処理技術を開発することを目指しています。
従来のコンピュータ技術は、精度・信頼性、性能・電力におけるトレードオフのジレンマに直面しており、特にAIを使った画像認識や音声認識といった応用サービスでは、必ずしも厳密な計算が求められていません。本研究では、エラーを部分的に許容しつつ、最終的な推論の確度を保つApproximateコンピューティング技術の開発に注力します。この技術が成功すれば、現行のシステムに比べて電力効率を100倍向上させることが可能になると期待されています。
このプロジェクトに参加するのは、中央大学、合同会社リトルウイング、三栄ハイテックス株式会社、国立情報学研究所の4つの機関です。それぞれの機関が持つ専門知識を結集し、ハードウェアとソフトウェアの共同設計を進めます。これまでの研究では、個別の構成要素にApproximateコンピューティングを適用することはありましたが、システム全体へこの技術を適用する試みは世界初とされます。
現在、世界中のデータの変化は著しく、特にビッグデータからファストデータへの移行は避けられない流れです。将来のデータセンタでは、メモリを中心としたコンピューティングが主流になることが予測されており、この流れに乗ることを狙っています。本研究では、日本のメモリベンダと連携し、実用化への道を開くことで、国際的にも先駆けてメモリ中心のコンピューティングの確立を目指しています。
それぞれの機関は以下のような役割を担っています。中央大学は不揮発性メモリの研究を行い、合同会社リトルウイングは分散処理の研究に取り組みます。三栄ハイテックス株式会社はアクセラレータに関する研究を行い、国立情報学研究所はネットワーク・プログラミングの研究を担当します。
このプロジェクトが成功すれば、効率的で持続可能なデータ処理技術の未来を保証し、企業や社会全体に新たな可能性を提供することになるでしょう。これからの研究成果に大いに期待が寄せられています。
会社情報
- 会社名
-
合同会社リトルウイング
- 住所
- 神奈川県横浜市中区扇町1−1−25キンガビル5F
- 電話番号
-
044-550-3089