新幹線販売員の成功の秘訣
山形新幹線のカリスマ販売員、茂木久美子の著書「コギャルだった私が、カリスマ新幹線販売員になれた理由」は、発売から10年以上が経過した今、再び注目を集めています。この本が示すのは、テクニックやマニュアルを超えた「人と人の接触」がどれほど大切かというメッセージです。以下では、茂木久美子がどのような経緯で成功を収めたのか、そしてその背後にある思考や価値観について詳しく見ていきます。
新幹線販売員としての物語の始まり
茂木久美子は1980年に山形県で生まれ、山形城北高校を卒業後、1998年から新幹線の車内販売員として勤務を始めました。当初彼女は「ダメ販売員」と呼ばれ、苦労の日々が続きましたが、次第に接客の真髄に触れるようになります。
「喜ばれること」を考える姿勢
著書で茂木は、マニュアルや販売技術の重要性を感じる一方で、真に重要なのはお客様にどう喜んでもらうかという点であると強調しています。「お客様に喜んでもらうために自分が何ができるかを考える」という姿勢が、単なる売上の追求を超えた価値を生み出すのです。彼女の考え方は、売上の向上に直結していきました。たとえば、彼女は1日50万円の売上を達成し、同僚の5倍の成果を上げることができました。
AI時代における人と人の触れ合いの重要性
AIや無人レジが広がりを見せる中、茂木の講演はより一層注目されたり、感動を呼んだりしています。合理化が進むと、逆に人と人の接点がいかに価値あるものであるかに気づかれ、対面販売やおもてなしの重要性が再認識されるようになっています。彼女の講演を受けた多くの人々が「仕事の見方が変わった」と感じ、企業側からも「スタッフが自発的に動くようになった」との声が寄せられるようになりました。
誰でもできる気づきと成長
「コギャルだった私が、カリスマ新幹線販売員になれた理由」は、特別なノウハウや手法がなくても成長し得ることを示しています。茂木は「売ろうとしなくても売れる」というメッセージを持ちかけ、真剣な人間関係を築くことで自然と売上が上がることを経験から語っています。彼女の言葉は、今の時代に特に響くものがあります。
著者茂木久美子の思い
茂木は、安易に売上を求めるのではなく、「お客様に喜んでもらうことの喜び」を感じることが重要だと訴えます。彼女は自分がもともと優秀な人間ではなく、落ちこぼれであったことを公言し、誰でも意識を変えられるチャンスがあることを示しています。
将来、さらに多くの人々が彼女のメッセージに触れ、心からの接客というものの重要性を理解することが期待されます。新幹線販売員として得た経験と知識を生かして、茂木は今後も全国で年間150回以上の講演を繰り広げていく予定です。彼女の活動を通じて、接客力の向上が求められる多くの職場に、「人が人を動かす力」が広がっていくことを願っています。
書籍情報
- - 書名:コギャルだった私が、カリスマ新幹線販売員になれた理由
- - 著者:茂木久美子
- - 発行元:株式会社日経BP
- - 発売日:2014年11月4日
- - ISBN:978-4532197452