アドベンチャーワールドで誕生したエランドの赤ちゃん
2025年5月1日、和歌山県にあるアドベンチャーワールドで8年ぶりにエランドの赤ちゃんが誕生しました。この小さな命は、4月30日に生まれたオスの子供で、母親は2017年に当パークで生まれたメス、父親は2020年に九州からやってきたオスです。今回の出産は、繁殖を目的とした取り組みの成果として、多くの人々の希望を背負っています。
新たに誕生したエランドの赤ちゃんは、体長約1メートル、体重29.1キログラムで、すでに母親からの授乳も確認されています。母子はバックヤードで安心して過ごしており、その成長を見守ることが期待されています。今後、公開時期が決まり次第、公式ホームページやSNSでの案内が行われる予定です。
出産の背景
アドベンチャーワールドでは2018年にオスのエランドが亡くなったため、新たなオスを迎える準備が進められました。そして、2020年1月に九州の自然動物公園から新たなオスを搬入することで、今回の出産が実現しました。このように、繁殖プログラムの成功は環境保護や生物多様性の維持においても重要なものとなっています。
現在、アドベンチャーワールドでは今回誕生したエランドの赤ちゃんを含む4頭のエランド(オス2頭、メス2頭)が飼育されています。
エランドについて
エランドはウシ科に属し、アフリカ中部から南部に生息しています。この動物は、2メートルから3.5メートルの体長を持ち、体重は300キログラムから1,000キログラムまで成長します。草食性であり、主に乾草を食べ、生息地では食物や配食の変化に影響されて生存しています。妊娠期間は約270日で、通常は1回に1頭を出産します。IUCNのレッドリストでは「低リスク」に分類されていますが、一部地域では農地の拡大や密猟、気候変動の影響で個体数が減少傾向にあります。
エランドは、ウシに似た大きな体形を持つ一方で、長い首と細身の顔立ちが特徴です。また、オス・メスともに60センチから1メートルに及ぶ太い角を持ち、首元には「胸垂」と呼ばれる垂れ下がった皮膚があります。この胸垂は彼らの見た目を特徴づけるもので、驚くべきことに最大で2メートルのジャンプ力を有しています。
アドベンチャーワールドの未来への取り組み
アドベンチャーワールドでは、SDGs(持続可能な開発目標)を意識した運営が行われており、「いのちを見つめ、問い続ける。いのちの美しさに気づく場所」として、動物たちが豊かな未来を創造するための取り組みを親子や地域の人々と共に進めています。
パークの理念は、「小さな地球」を通じて関わる全ての生命が豊かになる姿を体現し、未来の世代に希望を託すものです。このように、アドベンチャーワールドは新たな命であるエランドの赤ちゃんを通じて、自然や資源の循環、再生を促進し続けることを目指しています。
このエランドの赤ちゃんが成長していく姿を見守りながら、私たち一人ひとりも持続可能な社会づくりに貢献していけたら、より豊かな未来が待っていることでしょう。