Z世代の心をつかんだスパイダーマン映画のプロモーション戦略
最近の映画市場において、Z世代の大きな支持を集めたのが、スパイダーマンの最新作『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』です。公開初日には5.6億円の興行収入を果たし、3日間で15.6億円を突破する驚異的なスタートを切りました。これは、Z世代を意識した画期的なプロモーション戦略によるものです。
スパイダーマンを知りつつも、観ていない
調査によると、大学生の85.2%はスパイダーマンを知っている一方、約半数が未視聴という結果が浮かび上がりました。この「観てみたい」に対する認知と行動のギャップを克服するため、BeRealが注目したのは、友人とのつながりとリアルな体験でした。
BeRealのアプローチ
BeRealはZ世代向けのコミュニティ「BeRealz」を活用し、映画に対する興味を引き出すために300人以上を対象に調査を実施。彼らが映画を観ない理由は「見たいけれど見るきっかけがなかった」というものであり、特に「友人に誘われたことがない」という要因が無視できないと分かりました。そこで、友人とのエンタメ体験を強調したプロモーション施策を展開することにしました。
具体的な施策
BeRealはジャパンプレミアイベントに合わせて予約広告「Takeover」と新広告メニュー「FrontRow」を利用し、公開日の認知度を高めました。また、Z世代インフルエンサーを起用し、SNSでの投稿を通じて友人のリアルな体験を促しました。これによって、スパイダーマンへの興味を高め、観覧行動を喚起することに成功しました。
友人の影響の重要性
映画館へ行くきっかけとして最も影響を与えたのは「友人から誘われた時」で、42.3%がそのように回答しました。「友人から勧められた作品には興味が湧く」という意見も多く、作品自体よりも誰と体験するかが重要であることが伺えます。BeRealのプロモーションでは、スパイダーマンを友人やカップル、家族と楽しむ「リアルなエンタメ体験」として捉えることを強調しました。
試写会による体験の拡大
Z世代コミュニティ「BeRealz」で大学生を対象に行った試写会では、参加者の約70%がBeRealへの投稿を行い、「観てみたい」や「気になる」といったリアクションが多く寄せられました。また、試写会参加者は全員が過去のシリーズ作品を観たいと回答し、興味が高まったことが伺えます。
全世代における視聴意向のアップ
ブランドリフト調査では、全世代・性別で視聴意向が平均値を上回る結果を得ることができました。この結果に対し、映画『スパイダーマン』の宣伝担当者は、スパイダーマンのキャラクターの親しみやすさを伝えるコミュニケーションが、心理的距離を縮めた一因であると語りました。特に、Z世代をターゲットにしたリアルな投稿が、同年代間の話題感を醸成する助けになったのです。
今後の展望
本施策は、映画の認知度向上だけでなく、友人との体験や感情を共有していくことが映画観賞へのハードルを下げることに寄与するという新しい発見をもたらしました。BeRealは、このプロモーションを通じて、将来的にも「友人とのつながり」や「リアルなコミュニケーション」を起点に、企業やブランドのマーケティング活動を支援していくことを目指しています。
まとめ
『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』は、BeRealの新しいプロモーション戦略を通じて、Z世代という新たなファン層を獲得した成功作です。映画がもたらす「リアルな体験」を共有することで、多くの人々が映画館に足を運ぶきっかけとなり、観賞行動を促進させた点が注目されます。これからの映画プロモーションにおいても、リアルな体験の共有は重要な要素になっていくことでしょう。