日立が提唱するインボイスチェーンの活動報告書
日立製作所が参画するデジタル通貨フォーラムのインボイスチェーン分科会が、企業間取引を効率化するための活動報告書「インボイスチェーン分科会STEP1報告書」を公開しました。この報告書は2023年2月19日に発表され、企業間取引の受発注から会計業務までをシームレスに結び付けるプラットフォームの社会実装イメージを提示しています。
インボイスチェーンとは
インボイスチェーンとは、ブロックチェーン技術を活用して、企業間の取引をより効率的に行うための仕組みです。特に、EDI(企業間データ交換システム)の利用状況や課題に対する解決策を模索し、企業間の流れを円滑にすることを目的としています。日立はこの活動を通じて、商取引全体の効率化を図ることを目指しています。
報告書の主な内容
報告書では、以下のポイントが挙げられています。
1.
インボイスチェーンの概要:このシステムの目的や価値、社会実装のイメージについて詳しく解説しています。
2.
データフォーマットの考察:EDIを使用している企業とそうでない企業の両方の課題を洗い出し、解決案やデータフォーマットの考え方をまとめました。特に、経理部門の担当者へのヒアリングを元にした実効性のある内容となっています。
3.
今後の取り組み:STEP1での課題抽出を踏まえ、次の活動フェーズであるSTEP2に向けたロードマップやチーム編成を示しています。
需要の高まりと課題解決へ向けて
日本ではデジタル化が進む中、企業間取引の効率化は急務となっています。受発注システムと会計システムの連携が不十分であるため、経理部門では手作業が依然として必要になっています。このような状況から、業界を超えた標準化や補完的なシステムの構築が求められています。
日立は、このフォーラムに2020年の設立当初から積極的に参加しており、2022年にはデジタル通貨を使った実証実験も行っています。今後は、よりトランスフォーメーションを進め、企業間取引を一層便利にするための活動を続けていく予定です。特に、STEP2では、具体的な課題をテーマごとに調査し、解決策を見つけるためのリーダーシップを発揮していく方針です。
最後に
日立が展開するインボイスチェーンは、デジタル化の進展に伴い、企業間の協力関係を強化し、社会全体の効率化を図る重要なプロジェクトです。未来の商取引を見据え、日立は引き続き革新を追求していくでしょう。詳細については、インボイスチェーン分科会の報告書をぜひご覧ください。
参考リンク
インボイスチェーン分科会STEP1報告書