バングラデシュにおけるクオータ制度への抗議運動
最近、バングラデシュでは公務員採用における特別枠であるクオータ制度の廃止を巡って、大規模な抗議行動が展開されています。この抗議は、2018年に最高裁判所が同制度の廃止を決定したことから始まりました。学生団体による全土的なデモや交通封鎖が行われ、多くの市民が参加しています。
抗議の背景と現状
このクオータ制度は、独立戦争時の自由戦士の子孫に特別な権利を与えるもので、長らく存在していましたが、最近の判決によりその廃止が決定されました。その結果、制度の存続を求める学生たちが立ち上がり、抗議活動が盛り上がりを見せています。
デモは首都ダッカを含む複数の都市で展開されており、抗議行動を行う学生たちと、治安機関や対立する学生組織との間で衝突が発生し、多くの負傷者が出ています。さらに、8月以降、衝突により死亡者も報告されており、その数は20人以上に上るとされています。これらの情勢は、渡航者にとって非常に危険な状況を生んでいます。
通信環境の不安定さ
最近の抗議行動に伴い、携帯電話のデータ通信にも制限がかけられています。特に7月18日以降は、データ通信がほぼ不可能な状態となり、情報収集が困難になっています。現地に滞在している邦人の方々は、最新の情報を入手するために報道を注意深く確認する必要があります。
安全確保のために注意すべき点
バングラデシュに渡航する予定の方は、抗議行動が行われている地域には近づかず、不測の事態に巻き込まれることのないように十分に警戒しましょう。また、現地の報道やSNSなどを通じて、最新の状況を把握することが重要です。万が一、抗議活動に遭遇した場合は、すぐにその場から退避するなど、自身の安全確保を心がけてください。
問い合わせ先
万が一、現地で困った場合は、外務省の領事サービスセンターに連絡が可能です。以下の連絡先を控えておくことをお勧めします。
東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311
Dhakaの大使館は、現地情報を直接収集するための重要な窓口となります。
電話:880-2-2222-60010
バングラデシュへの渡航が必要な方々におかれましては、ぜひこれらの情報を基に、安全に注意しながら行動してください。