Delta ChatとE-Post Mail Serverによる新たなビジネスチャットのかたち

新たなビジネスチャット環境の構築

株式会社イー・ポストは2023年12月4日より、オープンソースの「Delta Chat」を同社のメールサーバソフト「E-Post Mail Server」と連携して導入できるガイドを公開しました。ビジネスチャットの運用の中で、企業の情報セキュリティやプライバシーが重視される中、従来のメールシステムを基盤としながらチャット機能を活用できる点が注目されています。

背景と目的

近年、メールコミュニケーションを中心とした業務連絡が減少している一方で、日本国内でも一般向けメッセンジャーの使用が見受けられ、個人情報の漏洩事件が相次いで報じられています（2021年と2023年）。これにより、データ主権やプライバシーに対する意識が高まり、企業の間で自社データを守る重要性が増しています。これらの問題を受けて、イー・ポストはDelta Chatを利用した新たなチャット環境の構築を提案しています。

Delta Chatの特徴

Delta Chatは、SMTP/IMAP4といった既存のメールプロトコルを利用する分散型メッセンジャーです。追加の専用サーバを立てる必要がなく、既存のメールアドレスでメッセージをやり取りできるため、導入時のコストを抑えることができます。また、ユーザーインターフェースは一般的なチャットと類似しており、スレッド形式の表示や既読確認が可能で、軽快なコミュニケーションが実現します。

E-Post Mail Serverの利点

E-Post Mail Serverは、国内向けに開発されたメールサーバで、20年以上の実績を持ちます。日本国内の多くの機関や企業で利用されており、セキュリティの面でも高い評価を受けています。メール中心の環境にチャット機能を統合することで、業務効率の向上が期待されます。

導入方法

今回は、Delta ChatをE-Post Mail Server上で利用するための構築ガイドが全2回にわたり用意されています。既存のシステムを活かしたまま、新たなコミュニケーション方法が簡潔に実現できます。さらに、アカウントの自動作成やQRコード生成が可能な「AUTOUSER」というツールも公開され、導入の初期負担を軽減します。

まとめ

情報システム部門の負荷を軽減し、コストに敏感な企業での導入を支援するために、Delta ChatとE-Post Mail Serverの連携は、企業ニーズに応える新しいソリューションを提供します。これにより、柔軟に変化するビジネス環境に対応できることが期待されます。
今後もイー・ポストは、新たな技術と製品を通じて、ユーザーの負担を軽減しながら、進化し続けるチャット機能を提供していく予定です。