未利用魚アイゴの新たな活用法
三重県の豊かな海で漁獲された未利用魚、アイゴを使った新しい冷凍食品が登場します。コープ自然派と生産者が手を取り合い、アイゴを活かすプロジェクトが始まった背景と、その魅力に迫ります。
アイゴが選ばれた理由
日本の海に生息するアイゴは、他の魚に比べると流通が少なく、一般にはあまり知られていない存在です。その理由は、背ビレやシリビレに鋭いトゲがあり、扱うのが難しいため。しかし、アイゴは栄養価が高く、特に調理方法次第で非常に美味しい料理に変身する可能性を秘めています。
コープ自然派は、この未利用魚を用いて、食卓に新たな選択肢を提供するとともに、フードロス削減に寄与することを目指して商品開発を行いました。
新商品についての詳細
このたび発表されたのは、アイゴを使用した二つの冷凍食品です。「三重県産白身魚竜田揚げ」と「三重県産白身魚カレーフライ」です。どちらも下処理が施されており、自宅のキッチンで手軽に美味しい揚げ物を楽しむことができます。
価格: 438円(473円(税込))
内容量: 120g
原材料: アイゴを使用し、特製のタレで漬け込んでいるため、旨味が凝縮されています。
価格: 408円(441円(税込))
内容量: 150g
原材料: アイゴにカレー風味のパン粉をまとわせており、スパイシーな香りが食欲を引き立てます。
これらの商品は、冷凍の状態で販売され、気軽に揚げたての味を再現できます。販売は2025年2月10日からの予定で、コープ自然派の生協に加入した方は注文可能です。
未利用魚の課題と取り組み
アイゴのような未利用魚は、漁獲量が少なく、市場にほとんど出回らないため、廃棄されてしまうことが多い状況です。さらに、アイゴは生態系の中でも特に藻類を食べる草食性魚であり、藻場の資源を守るためにも適切な活用が求められています。
コープ自然派は、アイゴを製品として活用したことで、消費者に美味しさを提供するだけでなく、藻場の再生を促進し、水産資源を守る試みにも寄与しています。
生産者との連携
このプロジェクトは、生産者との強い結びつきから生まれました。2022年に実施したアンバサダーツアーを通じて、漁業者との対話を重ね、海洋生態系の保護や持続可能な水産資源の管理について学びました。これにより、アイゴの持つ可能性に気づき、具体的な商品開発へとつながりました。
コープ自然派の理念
「誰もが有機農産物を食べることができる社会へ」を目指すコープ自然派は、有機や環境保全型農業に根ざした商品の提供を行っています。これにより、消費者だけでなく、生産者とも調和しながら持続可能な生活を実現しようと努めています。
三重県の未利用魚アイゴがもたらす新たな食体験と、地域と環境を守るこの取り組みに、ぜひご注目ください。