東京に特化する婚活者が直面する新たな課題と展望

憧れの東京暮らしがもたらす婚活の課題

近年、東京在住の婚活者たちが直面している課題は、非常に興味深いものです。結婚相談所「マリーミー」を運営する植草美幸氏は、この地域特有の婚活動向について語っています。彼女の見解によると、「居住地：東京」に対する強いこだわりが、婚活の結果に大きな影響を与えているといいます。

東京の出生率と婚活の背景

2023年6月、厚生労働省が発表した人口動態統計によると、東京都の合計特殊出生率は0.99と、初めて1を下回りました。この数字は、未婚者の増加が大きな要因であるとされています。特に、2020年のデータでは東京の女性の生涯未婚率が最も高いことが示されています。特に日本においては、婚外子の割合が非常に低いため、婚活がより一層重要な課題となっています。

高収入働く東京の婚活者たち

高所得の人々が多い東京では、婚活者の平均年収も全国平均を上回っていることが特徴です。このため、職場からのアクセスが良い場所に居住したいと考える人が多く、通勤時間には厳しい制限があります。たとえば、タクシーで15分以内、または通勤時間は30分まで、といったように、時間を有効活用したいという意識が非常に強いとされています。

そんな中、婚活を考える際には「東京暮らしを維持できるか」が重要な基準となり、お相手も東京在住であることが求められます。通勤圏内に居住することが理想とされ、「埼玉や千葉、神奈川」といった周辺地域に住むことはほとんど受け入れられない傾向があります。例えば、年収800万の女性が年収1200万の神奈川在住の男性とお見合いをしたものの「目黒区に引っ越すこと」が受け入れられずに破談になった事例もあります。

リモート婚活と新たな形

一方で、コロナ禍によるリモートワークの普及が「どこにでも移動できる人」の需要を高めました。遠距離婚活や地方在住者からの婚活入会が増加しており、特に海外赴任者や外資系企業に勤務する国内外の女性にとっては選択肢が広がっている状況です。その中には「もう少しキャリアを積みたい」と考えている女性も多く、別居婚を前提として真剣に婚活を進めているケースが見受けられます。

リモートデートも普及しており、都会同士のカップルでも気軽に会えない間はビデオ通話を利用してお互いの生活を共有することが可能です。東京都内での短時間デートと比べ、遠隔での濃厚な結婚観の共有が進むこともあり、結婚後の生活を想像しやすくなっています。