実証実験の概要
三菱総研DCS株式会社は、三菱UFJ銀行との協力によって、「マルチクラウドストレージサービス」の実証実験を開始しました。このプロジェクトは、INFINIDAT JAPAN合同会社が提供するエンタープライズストレージ「InfiniBox®」を活用し、銀行業務におけるクラウドサービスの可能性を検証するものです。
2023年5月28日からスタートしたこの実証実験では、三菱UFJ銀行の既存のログ分析システムにマルチクラウドストレージを適用し、データ処理の速度や性能、コストなどを評価します。特に、パブリッククラウドとオンプレミスのメリットを融合した新しいデータ保管方法のフィジビリティを確認することが目的です。
実験の内容
実験内容は以下の通りです:
1. パブリッククラウドにあるログ分析サーバーから、三菱UFJ銀行のデータセンター内のストレージを接続し、実際のデータ分析が機能するかを確認します。
2. マルチクラウドストレージサービスを利用した場合と、現在の運用通りのパブリッククラウドストレージを使用した場合の処理性能を比較します。
マルチクラウドストレージサービスの利点
マルチクラウドストレージサービスは、パブリッククラウドの便利さとオンプレミスの安全性を兼ね備えています。このサービスを利用することで、企業は機密性の高いデータをより安全に保管できるようになります。以下のような特徴があります:
- - 強固なセキュリティ:物理的な保管場所の提示やデータ破棄証明が行えるため、機密情報の保護に優れています。
- - 多様なストレージメニュー:オブジェクトストレージやNFS、iSCSIなど、選べるストレージタイプが豊富で、オンラインと物理両方のストレージからの移行が可能です。
- - 経済的な料金設定:従量課金制で他のクラウドよりも低価格、かつ高パフォーマンスを提供します。
今後の展望
この実証実験の結果に基づき、DCSは商用マルチクラウドストレージサービスの提供を行う予定です。大量データを扱う企業やセキュリティを重視する企業へのサービス展開を計画しており、より効率的なデータ保管手法を確立していく考えです。マルチクラウドストレージの導入により、クラウドサービスの拡充とデジタルトランスフォーメーションが進むことが期待されています。
InfiniBox®について
INFINIDATが提供する「InfiniBox®」は、高パフォーマンスを維持しつつ、コスト面でも優位性を持つストレージソリューションです。すでに多くの業界の顧客に利用されており、信頼性や使用率の面でも高い評価を得ています。
三菱総研DCSについて
三菱総研DCSは、金融関連業務に豊富な実績を持ち、様々な事業に対してソリューションを提供してきました。BPO業務やアウトソーシングを通じても、高品質なサービスを展開しています。また、INFINIDATとのパートナーシップを結ぶことで、先進的なストレージソリューションを取り入れています。
結論
三菱総研DCSと三菱UFJ銀行の共同実証実験は、マルチクラウドストレージサービスが持つ潜在能力を探る重要なステップです。企業のIT環境におけるデータ管理の新しい選択肢が広がることが期待されています。