双日株式会社が新たな一歩を踏み出しました。カナダのニューファンドランド・ラブラドール州に位置する鉄鉱石鉱山、Kamiプロジェクトへの参画について、Champion Iron Limited(以下、Champion)と日本製鉄株式会社と共に基本合意を見ました。このプロジェクトは、高品位の鉄鉱石の生産を目指して進行しており、特にCO2排出削減を実現するための電炉技術を活用する予定です。これにより、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた鉄鋼業界全体の取り組みを加速することが期待されています。
Kamiプロジェクトでは、年間900万トンの高品質な鉄鉱石を生産し、今後、3社での合弁会社設立が進められます。鉄鋼業界は、2030年代にかけて従来の高炉法から、鉄スクラップを基にした新しい電炉法へと移行を予定しています。この移行には高品位の鉄鉱石が不可欠であり、Kamiプロジェクトの成果が重要な役割を果たすことでしょう。
高品位の鉄鉱石は、採掘が難しく、世界中でも限られた国でしか存在しないため、その安定供給は価値が高いと言えます。Kamiプロジェクトから産出される鉄鉱石は、特にその高い鉄分含有量と低い不純物が特筆されており、鉄鋼需要の変化に柔軟に対応できる資源として期待されています。また、2040年代以降に進められる高炉水素還元プロセスへの移行にも貢献するでしょう。
Championは、2016年にケベック州に位置するBloom Lake鉄鉱石鉱山を買収し、完全子会社のQuebec Iron Ore Inc.を通じて運営を行っています。双日は、Championがこの鉱山のオーナーとなる前から、この鉱山の鉄鉱石の日本向け販売を手掛けており、すでに確立された強固なビジネス関係があります。今後、Kamiプロジェクトにおける高品位の鉄鉱石の引き取り権を得ることができるため、販売戦略においても大いに貢献できると考えています。
双日は、カーボンニュートラル社会への実現の潮流の中で、新興国の成長やデジタル化の進展を見据えたサプライチェーンの安定化に取り組んでいます。特に、質の高い異なる資源への注力を表し、競争力を高めながら新たな価値創造を目指します。また、2050年までの長期ビジョン「サステナビリティ チャレンジ」の下、サプライチェーン上での排出削減を目指し新しい資産ポートフォリオの構築にも取り組んでいます。
双日は、GX分野における革新やその技術の社会実装を見定める中で、段階に応じたソリューションを提供し続ける方針です。企業理念に従い、持続可能な発展を実現するために、脱炭素に関する取り組みをさらに進めていくことが求められています。これからも、双日が切り開く未来に期待が寄せられます。