2025年の日本人海外旅行市場、若年層の需要復活が鍵に

株式会社JTBは、2024年の日本人海外旅行市場に関する新たな実態を示す『JTB 海外旅行レポート2025 日本市場における海外旅行のすべて』を発表しました。このレポートは、1988年から続くシリーズの38回目となり、最新のデータに基づく旅行動向を詳述しています。特に、2024年の海外旅行者数が5年ぶりに1,000万人を超えたことは、注目を集めていますが、その背景には様々な要因があることがわかりました。

海外旅行者数の回復状況

2024年における日本人の海外旅行者数は約1,300万7千人を見込んでおり、これは2019年以来の1,000万人超えを示しています。しかし、依然として2019年と比較すると35.2%の減少が見られます。特に、同じ東アジア圏の国々と比較すると、日本の回復は遅れていることが明らかです。具体的には、中国を除く韓国や台湾は、すでにコロナ前の水準に戻っているのに対し、日本の回復は道半ばだと言えるでしょう。

20代女性の旅行市場における影響

レポートの中で特筆すべきは、20代女性の海外旅行者数の伸びです。この層の出国率は29.4%に達しており、同年代人口の中で特に目立つ動向を示しています。これは、他の性的・年齢層と比べても圧倒的な数字であり、20代女性が日本人の海外旅行市場を牽引していることを示しています。実際に、旅行者数そのものは2019年と比べて減少しているものの、20代女性の影響力は強化されている様子が伺えます。反対に、30代以上の男性の出国者数は伸び悩んでおり、そこには為替レートや社会的要因が絡んでいる可能性があります。

若年層の為替レートに対する認識

特に興味深いのは、若年層が為替レートについての抵抗感が少ないことです。30歳未満の男女は、為替レートに関係なく旅行希望の強い意欲を示しており、多くの人が「1ドル150円以上でも行きたい」と回答しています。この調査結果から、若年層が今後の需要を復活させるカギであることが見えてきました。

それに対して、30代以上の層は、やはり経済的な影響を強く感じているようで、「円高の時に行きたい」という意見も多く見られました。このことからも、若年層と年配層との間には明確な意識の違いが存在していることがわかります。

結論

『JTB 海外旅行レポート2025』は、海外旅行市場の動向を詳細に分析しており、特に若年層の旅行意欲が重要なファクターであることを指摘しています。20代女性の影響力が高まる中、彼女たちが中心となり、今後の需要回復を進めていくことが期待されます。一方、30代以上の層も価格面での抵抗感を克服できれば新たな需要が生まれる可能性が高いでしょう。

詳しい内容については、JTBの公式ホームページでレポートを購入することが可能です。興味のある方はぜひご覧ください。レポートは税込み13,200円でご提供されています。