大腸内視鏡診断支援AI「EIRL Colon Polyp」の革新
エルピクセル株式会社が開発した大腸内視鏡診断支援AI「EIRL Colon Polyp」が、2024年8月1日から診療報酬の加算対象となります。これにより、医療機関での内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術が行われた際、60点の保険点数が新たに加算されることになります。これは、日本国内での大腸がんによる死亡者数が増加している中で、早期発見と早期治療の重要性が高まる状況を反映しています。
診療報酬改定の背景
これまで、「EIRL Colon Polyp」を利用した内視鏡手術は、従来の包括評価の中で処理されており、個別の保険点数は与えられていませんでした。しかし、2024年に行われる診療報酬改定によって、AIを活用した病変検出支援プログラムの重要性が認識され、「K721内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術」に対する加算が新たに設定されました。この改定は、中央社会保険医療協議会の専門部会での審議を経て決定され、2024年7月11日に承認を受けました。
大腸がんとAI診断支援の重要性
がんによる死亡原因の中で大腸がんは、肺がんに続いて第二位を占めており、年々その数は増加しています。これを受けて、早期に病気を発見するための診断手法の導入が急務となっています。AI技術を活用した「EIRL Colon Polyp」は、大腸内視鏡検査中に自動で大腸ポリープ候補を検出し、医呈所は迅速かつ正確な診断を行うことが可能になります。
製品の特長と導入状況
「EIRL Colon Polyp」は、2022年11月に販売を開始し、大学病院からクリニックに至るまで広く導入されています。このAIは、大腸内視鏡画像から隆起型や表面型の大腸ポリープ候補をリアルタイムで検出し、検出結果を視覚的に示すアラート機能を有しています。2023年には、富士フイルム製内視鏡システムへの対応も拡大し、医師たちはより幅広い選択肢を持つことができるようになりました。
社会への影響と今後の展望
診療報酬の加算が決定されたことで、AI画像診断支援の導入が加速し、経済的な障壁が取り除かれることが期待されます。これにより、AIを搭載した診断技術が医療現場に浸透し、より多くの患者が早期に適切な治療を受けられる環境が整うことが望まれています。エルピクセルはこの流れを受けて、さらなる技術開発や社会実装に取り組む方針です。
結論
「EIRL Colon Polyp」の導入と診療報酬加算は、大腸がんの早期発見に向けた重要な一歩と評価されています。今後の医療環境がどのように変化していくのか、期待が高まっています。