韓国のDouzone BizonとFuriosaAIが日本市場攻略に乗り出す
韓国の企業Douzone BizonとFuriosaAIが、韓国政府の支援による「AI半導体海外実証支援事業」を通して、日本市場に進出することを発表しました。この取り組みは、韓国の高度なAI半導体技術とサービスをグローバルに展開する戦略的なステップといえます。
事業の背景と目的
今回の事業は、韓国の科学技術情報通信部と情報通信産業振興院が後援しており、全8つのコンソーシアムがこのプログラムの支援を受けています。その中でも、Douzone BizonとFuriosaAIの連携が特に注目されています。この取り組みにより、韓国産AI半導体とサービスの海外導入事例を増やし、今後のグローバル進出に向けた足がかりを築くことを目指しています。
日本では経済産業省が「デジタルトランスフォーメーション(DX)推進ガイドライン2.0」を発表しており、中小企業のデジタル導入率を2025年までに60%以上に引き上げる計画があります。これに対して、政府はIT導入支援や補助金の提供を積極的に行っています。
Douzone BizonのONE AIとは
Douzone Bizonは、この事業を通じて「ONE AI」と呼ばれるAIサービスを日本市場で展開します。ONE AIは、ERP、グループウェア、電子文書管理(EDM)を統合したツールであり、さまざまなAI機能を提供しています。具体的には、ERPデータ分析やAIを用いた決裁、レポート作成、スケジュール管理の自動化などが可能です。また、日本の市場ニーズに対応したERPの強化や、日本語のユーザーインターフェース(UI/UX)への適応も進めています。
FuriosaAIの中核技術:RNGD
ONE AIの核心部分には、FuriosaAIが開発した高性能AI半導体「RNGD」が搭載されています。この半導体は、推論演算に特化しており、従来のGPUと比較して電力効率が2倍以上高いという特徴があります。これにより、クラウド事業者やエンタープライズ企業から大きな関心を集めています。
さらに、FuriosaAIはRNGDに最適化されたコンパイラやランタイム、クラウドネイティブツールキットを提供し、専門のエンジニアリングチームによるサポートも行っています。これにより、企業は円滑にこの新しい技術に移行できるでしょう。
検証プロセスと計画
Douzone BizonとFuriosaAIは、以下の4つの段階で実証を行う計画です。
1. NPUベースERP AI機能の検証
2. 日本ユーザーを対象にしたUI/UXテスト
3. 性能最適化
4. ユーザー満足度の調査
両社は、GPUに対して90%以上の精度を発揮し、20%以上の応答速度の向上を目指すとしています。この取り組みは、単なる技術的な検証にとどまらず、韓国のAI半導体が日本を含む国際市場で競争力を証明する重要な事例と位置付けられています。
企業情報
Douzone Bizon
韓国国内で最も影響力のあるERP企業で、AIを活用したデジタルトランスフォーメーションのパイオニア。20万以上の企業顧客を持ち、幅広いビジネスソリューションを提供しています。
FuriosaAI
高性能AI半導体の設計を手掛ける企業で、次世代AI半導体市場をリードするための技術力を持っています。RNGDを通じて、効率的な推論演算のためのソリューションを提供しています。
この共同プロジェクトが、韓国のAI技術を日本市場に浸透させる鍵となることを期待しています。