新しい時代のマーケティング手法
広告の世界は常に変化しており、特にSNS発信からリアルな体験へとシフトする動きが見られます。この背景には、アロハ・ブランディング合同会社とOpenWill合同会社が共同で提唱した「パーパス・エクスペリエンス・マーケティング」があります。この新手法は、企業の理念を基盤に、顧客や社員が実際に体験することを通じて、企業とその価値を深く理解し、共感を得ることを目指しています。
パーパス・エクスペリエンス・マーケティングの概要
「パーパス・エクスペリエンス・マーケティング」は、主に二つの大項目、 즉「ニュースバリュー化(PR)」と「エクスペリエンス(体験)」に基づいて展開され、細かいアクションとして7つのステップが定められています。
1.
Purpose【パーパスのデザイン】
ブランドやサービスの目的を明確に言葉で定義します。
2.
PR【パブリシティの設計】
パーパスを元に社会的意義をデザインし、PRを行います。
3.
TEAM【チームビルディング】
ブランドの理念に共感する仲間を集めチームを構成します。
4.
PLAN【体現する企画の立案】
考えたパーパスや理念をもとにしたイベント計画を立てます。
5.
EXPERIENCE【企画の実施】
チームと共にイベントを実施し、つながりを体現します。
6.
CHECK【反応の確認】
体験を通じて得た価値の反響を分析し、評価します。
7.
ACTION【次なるアクションへ】
体験企画の結果を元に次のステップに進みます。
この方法は、従来の発信型から体験型へと進化させ、多様なステークホルダーが意義を共有する場を作り出します。
PXCAサイクルの提案
「PDCA(Plan, Do, Check, Action)」が広く用いられてきましたが、「パーパス・エクスペリエンス・マーケティング」では「PXCA(Plan, eXperience, Check, Action)」のサイクルが提唱されています。体験を重視することで、迅速に結果を分析し、次の行動へととつなげる新しいアプローチです。このような体験が価値を生む時代において、企業のパーパスに基づくマーケティング手法は重要となります。
リアル体験の重要性
近年、SNSを使ったマーケティングが普及し、多くの情報が発信されていますが、その成果が数値的な指標のみにとどまり、企業の理念が十分に伝わっているか疑問視されることが増えています。SNSマーケティングが効果を失い、ニュースバリューを生む力が薄れている今、ただ情報を発信するだけでなく、リアルな体験を提供することが必要です。
この体験を消費者や従業員に届けることで、企業の真正な価値が共感され、信頼や購買行動につながる可能性が高まります。また、AIやデジタルツールが進化する中で、リアルな体験の重要性が再評価されています。デジタル情報だけでは伝わりにくい熱量を生み出し、地域社会を巻き込んだ体験型マーケティングは、企業の理念をより深く伝える役割を果たします。
実践例:茅ヶ崎のマルソルC.S.ビーチホテル
茅ヶ崎に位置するマルソルC.S.ビーチホテルは、地域連携のイベントを通じて「パーパス・エクスペリエンス・マーケティング」を導入しました。ホテルの目的を「茅ヶ崎の交流の場・ビーチカルチャーの発信地」として設定し、その理念を体験として顧客に伝えました。この方法により、ブランドの認知度が向上し、好感度も高まりました。
7つのステップでは、目的を定義し、パブリシティを設計、チームビルディングを行った後、実際に体験型のイベントを企画・実施。SNSで参加者の体験をシェアすることで、約20万のインプレッションを達成しました。これにより、次のアクションとして企業研修の利用やオフサイトミーティングの活動が本格的にスタートしました。
企業の新たな価値創造
「パーパス・エクスペリエンス・マーケティング」は、単なる商品やサービスのマーケティングを超え、体験を通じて企業と顧客の関係を再構築する手法です。この方法が持続可能な成長に寄与し、社会全体の価値向上にも貢献することは間違いありません。
この新たなマーケティングの形は、今後、企業にとって重要な戦略となるでしょう。企業が自身のパーパスとそれを実現するためのリアルな体験を設計し、実行できるように、ぜひ相談をお待ちしています。