HPによる最新のセキュリティレポートの概要
株式会社日本HP(本社:東京都港区)は、最近発表した最新のセキュリティレポートにおいて、企業におけるプリンター管理の重要性を強調しています。このレポートでは、プリンターのハードウェアとファームウェアに関するセキュリティ課題と、その影響を徹底的に分析しています。
調査結果の概要
本調査は、ITおよびセキュリティの意思決定者800人以上に対するグローバル調査に基づいており、調査結果からはプラットフォームセキュリティが軽視されている実態が明らかになりました。特に継続的な管理の段階では、迅速なファームウェアのアップデートを実施しているIT部門がわずか36%にとどまることが示されています。日本においてもこの数値は40%と、深刻な状況です。
ライフサイクルの各段階のリスク
弊社の調査がカバーしているプリンターのライフサイクルは、サプライヤー選定から廃棄・再利用までの4つの段階に分かれています。
サプライヤー選定
- - 連携不足: 調達、IT、セキュリティ部門間の連携が不足しているという回答が35%(日本では38%)に上ります。
- - 提案依頼書の確認不備: 42%の意思決定者は、関連部門を関与させておらず、これは脆弱な基準設定につながります。
- - プリンターの改ざん確認: 納品時にプリンターが改ざんされていないことを確認できないという回答が51%(日本では54%)でした。
修復の段階
新たな問題として、ハードウェアやファームウェアの脆弱性に対する攻撃を受けやすいプリンターを特定できるITSDMはわずか35%(日本でも34%)で、対策が後手に回っています。さらに、70%の担当者が物理的情報漏えいのリスクに懸念を示すなど、社内の情報管理も脆弱です。
廃棄・再利用の段階
最後に、86%が再利用やリサイクルに伴うデータセキュリティのリスクを訴えており、組織内で不要または廃棄予定となっているプリンターが約80台という報告もされています。依然として信頼性が欠けるサニタイズソリューションについても懸念が示されています。
プリンター管理における推奨対策
HPは、セキュリティの確保に向けて以下の改善策を提案しています。
1. IT、セキュリティ、調達部門間の効果的な連携
2. セキュリティ基準の明確化とサプライヤーのセキュリティ証明の要求
3. ファームウェアの迅速な更新とセキュリティツールの効果的な使用
4. ゼロデイ脅威やマルウェアに対する監視を強化
5. 再利用・リサイクル時におけるデータ消去機能の確保
最後に
HPのグローバルシニアプリントセキュリティストラテジスト、スティーブ・インチは、プリンターがもはや単なる事務機器ではなく、機密情報を扱うスマートデバイスであると警告しています。適切な管理を怠ることで、企業は深刻なデータ漏洩のリスクにさらされることに留意すべきです。
このように、HPが発表したこのセキュリティレポートは、プリンター管理の重要性を再認識させる内容となっています。企業が直面しているセキュリティ課題を解決するために、実効性のある対策を講じることが喫緊の課題です。