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ロレアルが示した化粧品研究の新たな可能性

世界の美容業界でリーダーとしての地位を築いているロレアルグループの日本の研究開発部門であるロレアル リサーチ＆イノベーション ジャパンが、12月8日から10日に開催された第3回日本化粧品技術者会学術大会で注目のポスター発表を行いました。この大会は、国内最大規模の化粧品関連の学術イベントであり、化粧品研究だけでなく皮膚や毛髪、心理に関する研究が一堂に集まる貴重な場です。

ポスター発表の内容

ロレアルリサーチ＆イノベーションの研究員たちが紹介したのは、次世代化粧品の可能性を示す3つの研究です。これらの研究は、それぞれ異なる観点から消費者のニーズに応えるものとなっています。

1. 次世代クレンザー「Glyco-san」

河西毅彦らによる発表では、洗浄力と肌悩みに対応する機能性を両立させたクレンザーの技術が紹介されました。従来の洗顔料においては、有益な成分を皮膚にとどまらせる一方で、泡の安定性を損なわないことが課題でした。この研究では、バイオ由来のキトサンとラムノリピッドを利用した新しい技術「Glyco-san」によって、これらの課題を解決したとされています。この技術により、洗浄性能と皮膚にとって有用な物質の保持が見事に両立され、泡の安定性も向上しました。また、Glyco-sanは持続可能な素材であることから、環境への配慮もされています。

2. ポリイオンコンプレックスを用いたメイクアップベース

茂垣里奈らの研究では、新たに開発されたポリイオンコンプレックス（PIC）を使用したメイクアップベースが紹介されました。このベースは皮脂コントロールと保湿バランスを巧みに調整したもので、皮膚のハリや弾力性を改善する効果が臨床試験で確認されています。さらには、長期にわたって使用することで、皮膚の滑らかさや弾力性を向上させることが実証されています。この革新的なアプローチにより、メイクアップを通じて皮膚性状の改善が図られるという新たなコンセプトを提供しています。

3. ヘアカラーの匂いが心理に与える影響

山本佐和子らの発表では、ヘアカラーの匂いが消費者の心理に与える影響についての研究が紹介されました。この研究では、脳波測定（EEG）と主観的な評価を結びつけ、ヘアカラー施術中の匂いと頭皮の不快感が感情に与える影響を探りました。分析の結果、アンモニアを含むサンプルで強い不快感が感じられる一方、アンモニア無配合のサンプルではその影響が軽減されることが分かりました。この成果は、消費者の精神的体験を理解する上での重要な知見を提供し、今後の製品改良に寄与する可能性があります。この発表は、京都橘大学大学院健康科学研究科との共同研究に基づいています。

ロレアルリサーチ＆イノベーションの役割

ロレアルの日本における研究開発は1983年から始まり、現在も川崎市に拠点を置いています。約200名の研究員が、日本の独自の文化やニーズを反映した製品開発に取り組んでおり、ロレアルグループの様々なブランドのために革新的な技術や製品を生み出しています。これにより、化粧品業界の進化を加速させることが期待されています。

ロレアルは、115年以上にわたり美容と化粧品のリーダーとして、確固たる信念で世界中の消費者の美への願望をサポートしてきました。サステナブルで倫理的な美の在り方を追求しながら、今後もさらなる研究開発を進めていくことでしょう。これからの化粧品の未来に注目が集まります。

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