トルビズオンによる新たなドローン航路管理システムが特許取得

トルビズオンが実現するドローン空域の未来

株式会社トルビズオン（福岡市中央区）が、ドローン航路の価値とリスクを動的に評価するシステムに関する特許を取得しました。特許番号は7741565号で、出願日は2023年9月22日、査定は2025年8月25日に完了しました。この特許は、空域プラットフォームの進化において、戦略的な技術基盤となることを目的としています。

空域評価の革新

トルビズオンの特許の中核は、目に見えない空域を定量的に評価するシステムです。これにより、ドローンの利用目的や空域の特性を多角的なデータから算出し、潜在的な価値と内在するリスクを明らかにします。評価に必要なデータは以下の通りです：

- 利用種別：空撮、農業、輸送など
- 地理種別：住宅地、森林、田畑など
- 電波状態：通信の安定性を示すデータ
- 利用状態：利用申請の数や混雑度
- 環境状態：高層ビルや鉄塔、重要施設の有無
- 統計情報：過去の事故の履歴データ
- 気象状態：気温や風速などの飛行に影響を与えるデータ

これらの情報を統合することで、客観的に空域の特性を把握し、適切な価値とリスクの指標を可視化することが可能になります。

インテリジェントな評価システム

この特許のもう一つの特徴は、AIなどの技術を駆使した評価エンジンが、ドローンの利用目的に応じて柔軟に価値とリスクの評価を変化させる点です。例えば、災害時に医薬品を輸送する場合、人命救助の緊急性を考慮し、リスク評価を最適化する必要があります。一方で、商業イベントでの空撮時には、地上の安全を保障するために、より厳格なリスク評価が求められます。このように、利用目的によって評価が動的に変化することで、社会全体の利益と安全性を両立させる管理が実現します。

社会に及ぼす影響

トルビズオンの代表である増本氏は、「本特許の成立は、空域を単なる空間から“価値を持つデータ”として再定義したことを示しています。将来のドローン空域データ取引市場のスタンダードを築く礎を形成するものです」と述べています。この技術は単なる組み合わせによるものではなく、新たなエコシステムの構築を目指していると言えるでしょう。