日本独自のSF映画が描く夢の世界とは？U.M.I Film makersの挑戦

日本独自のSF映画が描く夢の世界とは？

U.M.I Film makersが新たに挑むのは、日本ならではのドメスティックSF映画を海外に発信することです。これを実現するために、彼らは4月1日を「夢を発信する日」とするプロジェクト「April Dream」に賛同し、その理念に沿った作品作りを目指しています。さまざまな問題を内包した現代日本の社会を舞台に、「SFとは何か」を再定義する映画制作に挑戦しています。

SFはただ宇宙の冒険や未来の技術を描くものではなく、現実の社会問題に解決策を示す可能性を秘めています。U.M.I Film makersが企画する作品の一つに、『老人ホームのおばあさんが瞬間移動する話』があります。この物語では、認知症を患うおばあさんが、瞬間移動を繰り返しながらも周囲の時間とは異なる流れの中で生きているという設定を通し、SF的な非現実が日常に交差する瞬間を描写します。

現代の課題を映し出すSF

高齢化や少子化、再開発の失敗、さらにはデフレなど、問題を抱える日本の社会。それを反映した映画の中で、「もしさまざまな非現実の存在が、日常の些細な出来事に隠れていたらどうなるか？」という問いを投げかけるのがU.M.I Film makersの独特な視点です。限界ニュータウンに擬態する宇宙生物がいたり、街中のオブジェが異世界との交信装置であったり、廃品回収のアルバイトをする異生物がいたら、我々の身の回りにどのような新しい価値や意味が生まれるのでしょう。

その視点を持つことで、現実の問題に新たな光を当て、日常の中の意外な発見や驚きに繋がるきっかけを提供することを目指しています。U.M.I Film makersは、日本の地域社会の魅力を探求し、一般的な日常の中に埋もれている非現実的なエッセンスを引き出すことで、観客にワクワクする体験を提供します。

U.M.I Film makersの活動内容

U.M.I Film makersは、2010年に結成されて以来、もっとパーソナルな映画作りを追求してきました。彼らのメンバーは固定されず、演劇界の優れた脚本家や俳優たちが、作品ごとに集結し、プロデューサーユニット形式で映画を作成しています。この方式は、異なるバックグラウンドを持つ人々のアイデアや視点を取り入れ、独創的な作品が生まれる土壌を形成しています。

彼らは「季刊ライトシネマ」として、定期的に短編映画の制作、上映、そしてトークセッションを行っており、関西の小劇場と協力することでその作品を広く公開する機会も創出しています。また、最近では淡路島を舞台にしたクライムムービー『さようなら』や、佐柳島を舞台にしたSFヒューマンコメディ『さなぎの猫』など、多彩なジャンルでの作品も手掛けています。

夢の実現に向けた一歩

「April Dream」は、企業が未来の夢を発信することを目的としたプロジェクトであり、U.M.I Film makersもその理念に共鳴しています。彼らは夢の実現に向けた第一歩を踏み出し、SF映画というフィルターを通して、一般の人々が暮らす地域の問題に注目し、新たな視点を提案していくことを決意しました。その結果、日本独特のSF映画として、国際的にも新たな理解や評価を得ることができるかもしれません。