2025年12月29日、東京国際フォーラムでJ-CULTURE FESTが贈る詩楽劇『八雲立つ』が幕を開けます。このプロジェクトでは、伝統的な日本文化を現代に活かした公演が多数行われており、観客は日本古来の神話や物語に触れることができます。
詩楽劇『八雲立つ』は、荒魂(あらみたま)と八岐大蛇(やまたのおろち)の物語を中心に、須佐之男の成長物語や岩長姫の闇堕ちを描く作品です。2022-2023年に上演された作品から続くこのストーリーは、神々に触れ、新たな年を寿ぐというテーマを持っています。誇らしげに纏われた本物の装束を身に着けた出演者たちが、古典の美しさと音楽、舞踊を融合させて、舞台上で新たな命を吹き込む様子は圧巻です。
冒頭では、2025年の穢れを祓い、2026年を祝う神職による修祓が行われ、その後、国生み神話に基づく神秘的な舞台が展開されます。歌舞伎の要素が取り入れられ、ヴァイオリンなどの楽器による演奏が加わり、舞台全体が和と洋の調和によって彩られます。特に、古事記や日本神話に詳しくなくとも楽しめる工夫がされているため、すべての観客が満足できる内容となっています。
今回の取材会では、構成・演出を担当する尾上菊之丞氏や、須佐之男を演じる尾上右近氏、岩長姫役の紅ゆずる氏、瓊瓊杵尊役の佐藤流司氏らが登壇し、意気込みを語りました。
尾上菊之丞氏は、「普段は一緒に仕事をすることが少ない出演者たちと共演できる機会は貴重で、互いに高めあいながら進めています。」と熱い思いを語りました。右近さんは「この公演において、幼少期からお世話になっている菊之丞先生に自らの成長を見せたい」という願いを語り、紅さんは「装束は美しいだけでなく背負う覚悟が大切」と感慨深く述べました。
また、佐藤さんや和田琢磨さんも、それぞれの役割に対する緊張感とワクワク感を共有しました。川井郁子さんも音楽部分の魅力を伝え、和洋の融合がどれほど観客を魅了するかを語りました。舞台は、ただのパフォーマンスではなく、参加者たちがそれぞれの技術を駆使して観客を感動させる場であることが強調されています。
公演の日程は2025年12月29日から31日まで、全席指定となっています。チケットは一般発売中で、早めの購入をお勧めします。また、公演に先駆け、ホールB5ではワークショップと企画展も行われ、参加者は様々な日本の伝統に触れることができる貴重な体験ができます。
J-CULTURE FEST presents 詩楽劇『八雲立つ』は、伝統を大切にしつつも革新を目指す公演として多くの人々に感動を提供することでしょう。この特別な舞台を、ぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか。