採用・営業共通の視点
2024-07-12 12:47:29

採用と営業の共通点とは?安定した成果を上げるための視点とは?『営業がしんどい』著者・笹田裕嗣氏講演レポート

採用と営業に共通する視点とは? - 成果を上げるためのヒント -



人事図書館が主催したセミナーイベントで、『営業がしんどい』著者であり、S1グランプリ優勝経験を持つ株式会社営業ハックの笹田裕嗣氏が登壇しました。

今回のテーマは「採用と営業の共通点」。笹田氏は、採用活動において安定した成果を上げるための方法を、自身の経験に基づいた具体的な事例を交えながら解説しました。

「売れた」と「買った」の認識のズレ



笹田氏はまず、「売れる」という言葉の罠について言及しました。顧客は「売れる」という言葉ではなく「買う」という言葉を使うため、認識のずれが生じやすく、カスタマーサクセスがうまくいかないケースがあることを指摘しました。

「売れた」という視点では、商品やサービスが売れたというゴールに意識が集中してしまいますが、「買った」という視点では、顧客が商品やサービスを使い始めるというスタート地点に意識が向くため、顧客満足度を高めるためには「買った」という視点を持つことが重要です。

ナーチャリングの真実



次に、ナーチャリングについて解説しました。

従来のナーチャリングでは、メルマガ、ウェビナー、ホワイトペーパー、プレゼン、コンテンツという流れが一般的でしたが、実際にこの流れで顧客の興味が醸成されるとは限らないと笹田氏は主張しました。

「スカウトメールを送ったからといって、相手が興味を持っているとは限らない」と指摘し、採用活動でも同じことが言えると説明しました。

大切なのは、数値ではなく、どのアクションが効果的かを考えることです。

ナーチャリングで育成すべきポイントは、「興味」と「信頼」です。興味を持ってもらうだけでは、人は「買おう」「入社しよう」とはなりません。

現代は情報過多で、興味や信頼はすぐに失われる時代です。採用も営業も、相手にアプローチする際に、相手は口コミを調べるのが当たり前になっています。

そのため、誠心誠意気持ちを伝えることが重要になります。また、競合他社をすぐに答えられるようにしておくことも重要です。

営業の競合他社と採用の競合他社は異なることを忘れてはいけません。営業であれば類似商材ですが、採用に関しては掲載媒体や条件などが比較対象になります。

現代では比較することが容易であるため、競合他社が何をしているのか注視することで、「それより良い施策を出す」ことができるようになります。一番を目指すのではなく、競合他社を上回ることに意識を向けるべきです。

ナーチャリングは掛け算で考える



効果を最大化するには、コンテンツ×コミュニケーション×クロージングの組み合わせとタイミングが重要になります。

コンテンツは手軽にセルフスクリーニングにも有効ですが、双方向のコミュニケーションにならないのが弱点です。そこでコミュニケーションを取り、認識のずれを無くし、関係性を作っていくのが第2段階になります。

そして最後に、クロージングが必要です。「ぜひ使ってほしいのでよろしくお願いします」「ぜひあなたにうちで働いてほしい」という一言で、相手の背中を押すことが重要になります。

「最後は求職者の方の判断に任せます」「最後はお客様に任せます」というスタンス自体は間違いではありませんが、そこに「自分の意見」を伝えることを付け加えるべきです。

価値判断は相手の基準次第



同じことをやったとしても、相手が満足するかどうかはその人の主観次第です。相手が想定している価値を実際に体験した価値が上回った時に、相手は満足します。

そのため、相手がどの程度期待しているのかを知る行動が不可欠です。

例えば、喉が渇いている時に死にそうになったタイミングでもらう水と、喉が渇いていない時にもらう水では満足度が変わるように、相手の状況に合わせて対応する必要があります。

また、括ることにも注意が必要です。Z世代という世代だったとしても、全員が同じ性格をして同じように過ごしているわけではありません。

この括りの中の「〇〇」という個人にしっかり目を向けることが大切です。最初のタイミングは母数も多いので、ある程度は括る必要があるかもしれませんが、最終的に関わるときは個別で対面することを意識しておくべきです。

まとめ



今回のセミナーでは、採用活動において安定した成果を上げるための、具体的な方法論が示されました。

顧客視点、ナーチャリングの重要性、競合との差別化など、多くの学びを得ることができたのではないでしょうか。

笹田氏の講演は、参加者から多くの質問が寄せられ、活発な質疑応答が行われました。講演時間自体は30分の予定でしたが、質疑応答に1時間追加でお時間をいただくという、大変熱量の高いイベントとなりました。

参加してくださった全ての方にお礼を申し上げます。

株式会社営業ハックについて

株式会社営業ハックは、「売上を2倍にするお手伝い」をさせていただき、「営業の悩みを0にする」会社です。

代表の笹田氏の体験・経験から、営業戦力不足を解決することで売れる組織をつくることができると考え、営業マネジメントコンサルティングを含めた営業代行事業を展開しています。

「誰よりも現場を知る営業コンサルタント」として、営業に関する実態調査や分析を行い、時代に合わせた営業とは何かを常に追いかけています。


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