空き家問題に立ち向かう新たな提携の展望
東京都渋谷区に本社を置く株式会社ジェクトワン(代表:大河幹男)と、宮城県白石市の株式会社ガイア(代表:相澤国弘)は、空き家を活用した地域価値向上に向けた連携協定を締結しました。この協定により、両社はそれぞれの強みを活かして、空き家の問題を解決し、地域を活性化させるプロジェクトを進めることになります。
背景と目的
空き家問題は年々深刻化しており、2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」を受けて、ジェクトワンは2016年から空き家解決サービス「アキサポ」を展開し、数多くの所有者の悩みに寄り添ってきました。
空き家の活用方法にはさまざまな選択肢があり、所有者の手間を減らしながら最適なプランを提案してきた一方で、地方都市では空き家の活用に対し、多くの課題が存在しています。地域全体のエリア価値向上を図るためには、点ではなく面でのアプローチが必要とされています。
ガイアは「アルベルゴ・ディフーゾ」や「蔵王福祉の森構想」といった事業を通じて、地域資源を活用し、空き家や未利用地を宿泊・福祉・農業に再生する取り組みを行っています。特に、ガイアリゾートはイタリアの認証を取得し、地域共生社会の構築に貢献している実績があります。
今回の業務提携によって、ジェクトワンの空き家活用に関する知見と、ガイアが持つ地域資源再生のノウハウを結集し、地域全体の価値向上につなげることが期待されています。地域社会の持続可能な発展に寄与することがこのプロジェクトの重要なテーマとなります。
業務提携の具体的内容
「空き家を活用したエリア価値向上プロジェクト」の一環として、以下の活動が計画されています。
1.
モデル地域でのリノベーション
ジェクトワンはガイアから提供された空き家情報をもとにリノベーションを行い、再生物件を宿泊施設として運営します。これにより、地域の遊休資産が有効に活用される仕組みが構築されます。
2.
付加価値創出の支援
既に運営されている物件に対して、ガイアは宿泊運用支援やブランディング支援を提供し、付加価値の創出を目指します。新たに再生を計画している物件では、企画段階から地域のニーズを反映し、コミュニティに根ざした宿泊施設の運営を目指します。
3.
地域全体の再生
老朽化した施設や遊休地を活用し、単体の空き家ではなく地域全体を生きた宿泊・生活・福祉空間として再構築していきます。この取り組みにより、地域経済の復興をはかり、新たな観光モデルの開発が進むことが期待されています。
アルベルゴ・ディフーゾの視点
こちらのプロジェクトには、イタリア発祥の考え方である「アルベルゴ・ディフーゾ」が取り入れられています。このコンセプトは、地域全体で宿泊施設を分散管理することで、宿泊者がその土地の日常や文化に溶け込みながら「暮らすように滞在」できる環境を提供するものです。地域のリソースを最大限に活用し、観光と多文化共生を両立させる持続可能なモデルとして注目されています。
今後の展望
この提携は、空き家問題に対する新たなアプローチとともに、地方創生や共生社会の実現に向けた重要な第一歩となります。両社は段階的に取り組みの規模を拡大し、全国展開を視野に入れたプロジェクトを進める計画です。この取組が地域社会に新たな活力をもたらし、持続可能な未来を築くことに寄与することを期待しています。