香取市の新しい公共交通「かとくる」導入の背景と期待
2024年10月から、千葉県香取市でデマンド交通「かとくる」が運行を開始します。このプロジェクトは、公共交通の現状と地域のニーズに応える重要な取り組みです。実証運行としてAIを用いたオンデマンドシステムを活用し、自家用有償旅客運送を実施します。
香取市の交通課題
香取市では、都市化が進む中、自家用車への依存が増大し、公共交通機関の利用が減少してきました。人口減少と少子高齢化が進む昨今、このままでは交通サービスが十分に提供できず、地域住民が移動手段を失ってしまう恐れがあります。そうした背景から、香取市は「地域公共交通計画」を策定し、公共交通の再編とデマンド交通の拡充に乗り出しました。
「かとくる」の運行概要
「かとくる」では、計7台のワゴン車を用い、住民のニーズに応じて「区域運行」と「ルート運行」の2つの運行方式を導入します。
- - 区域運行: 住民の日中の外出を支援し、ドアツードアでの移動を可能にします。
- - ルート運行: 通学や通勤の便を図るため、廃止されるバス路線の代替として、不定期にバス停間を運行します。
これにより、公共交通が不便な地域の移動手段が確保されることが期待されています。
パブリックテクノロジーズの役割
香取市における「かとくる」の運行業務は、株式会社パブリックテクノロジーズが受託しました。同社は「暮らし続けたいまちをつくる」というビジョンのもと、地方自治体向けの公共ライドシェアやデマンド交通サービスを提供しており、交通問題の解決に向けた実績があります。今回のプロジェクトも、その技術やノウハウを活かし、地域住民に寄り添ったサービスを提供するものです。
発表と出発式の様子
2024年9月26日には、出発式が香取市役所で行われ、香取市の市長や地域タクシー会社の代表、そして代表取締役CEOである青木大和が参加しました。出発式では、「かとくる」の概要についての説明や、チーバくんの来場、使用車両のお披露目が行われ、地域の期待が高まるイベントとなりました。
市長は「これからの交通において、地域関係者の連携が重要になる。AIシステムを駆使して運行効率を高め、多くの住民に利用していただきたい」とのメッセージを寄せています。
今後の展望
香取市では、公共交通の利便性向上に向けた取り組みをさらに進めていくため、「かとくる」の導入を契機に住民のニーズに応じたサービスの最適化を図ります。持続可能な地域交通の実現に向け、交通空白地を解消し、より多くの住民に愛される公共交通を目指していく考えです。
最終的には、このプロジェクトが他の地域にも広がり、全国の交通の課題解決に寄与できるモデルを形成できることを目指しています。