京都・川島織物セルコンの挑戦
2019年4月9日から14日まで、イタリアのミラノで開催される世界的なデザインの祭典『ミラノデザインウィーク』に、京都の伝統的な織物メーカーである川島織物セルコンが参加します。この出展は、同社にとって初の試みであり、170年以上の歴史を持つ織物業界の最高峰ブランドとしての技術と美を世界にアピールする重要な機会です。
川島織物セルコンは、京都・西陣を拠点に、着物やインテリアファブリック、さらには国宝の修復にも携わるなど、日本の織物文化を支えてきました。特に、約1300年前の織物「正倉院裂」を復元するプロジェクトは、その技術力と伝統への尊重を示すものであり、多くの人々に認知されています。
今回の出展では、琳派の画家神坂雪佳が手掛けた「百花」という作品が採用されています。神坂雪佳は、1866年に生まれ、琳派の代表的な画家として知られています。川島織物で図案を描いた彼の才能は、染織だけでなく陶芸や漆芸、建物内装にまで広がる多才なプロデューサーでした。「百花」は、彼が描いた、多種多様な花がちりばめられた美しい図案であり、100年以上経った今も多くの人に愛され続けています。
アートディレクションは、グラフィックデザイナーの廣村正彰氏が担当しました。彼は、ジャパンクリエイティブというプロジェクトのクリエイティブディレクターとして、日本の伝統美とモダンデザインを融合させることに注力しています。今回のインスタレーションは、川島織物セルコンの伝統的な手法と最新技術による精緻なクラフトマンシップを表現し、甘美かつ優雅な空間を作り上げることでしょう。
展示の場所は、ミラノのパラッツォ・リッタの2階YELLOW 9で、期間中は毎日10時から20時まで公開されています。プレスプレビューは4月8日から行われるため、メディア関係者は早めに訪れることをおすすめします。
川島織物セルコンは、今後も伝統技術と最新技術の融合を追求しつつ、織物の未来を考える活動を続けていくと宣言しています。私たちが知る限りでは、日本の手工業の技術を世界に発信するその姿勢は、多くの人々に感動を与えることでしょう。
開催概要
- - タイトル: 百花craft ⇄ industry
- - 日時: 2019年4月9日 ~ 4月14日(日) 10:00~20:00
- - プレスプレビュー: 4月8日(月) 12:00~19:00
- - 場所: Palazzo Litta パラッツォ・リッタ 2階 YELLOW 9
- - 住所: Corso Magenta 24, 20121 Milan, Italy
- - HP: Palazzo Litta
- - 特設サイト: 川島織物セルコン
川島織物セルコンの出展を通じて、日本の伝統的な技術と美が世界に認識されることを期待しています。