学生がプロと共同で挑むクリエイティブ授業の始まり
福岡デザイン&テクノロジー専門学校と株式会社アクアスターが共に手を組み、2025年6月30日に新たな産学連携プロジェクトを立ち上げました。本取り組みは、さまざまな企業課題を通じて学生たちに実践的なクリエイティブ制作を経験させ、職業意識を育むことを目的としています。
このプロジェクトの一環として、同校のコミックイラスト&マンガ専攻の2年生(2027年卒業予定)が対象となり、現役クリエイターによる直接指導を受ける貴重なオリエンテーションが行われました。アクアスターからは2名のクリエイターが訪れ、イラストや制作ディレクションに関する仕事の実態を紹介。特に、アミューズメント施設のキャラクターやキービジュアル制作という実践課題に関する説明が行われました。
学生たちは、実際の制作現場に触れ、プロがどのように考え、行動しているのかを学ぶ貴重な時間を過ごしました。アクアスターの社員は、制作の過程でのチーム体制や過去の制作実績も紹介し、学生にとっての「リアルな現場」の感覚を体験させました。
企業課題に挑み、プロの視点を体感する学びの場に
このプロジェクトでは、広告やエンターテイメント業界での実務を想定した課題が用意されています。アクアスターが設定した仮想企業「ネオファンタジア」をもとに、学生たちは以下の2つの制作を行います。
- - イメージキャラクターデザイン案(1点)
- - キービジュアル案(1点)
この課題は単にイラストを制作するだけでなく、企業のニーズに基づいたキャラクター設計や、マーケティング視点を交えたビジュアル提案を含みます。さらに、学生たちは自らの意図を言語化し、他者に伝える力を養うことも求められます。
特に、現在の社会ではコミュニケーション能力の低下が懸念されていますが、アクアスターと福岡デザイン&テクノロジー専門学校の共同プロジェクトは、相手の意図を読み取り、それをビジュアルに表現する力を体感的に学ぶことを重要視しています。中間講評や最終発表を通じて、学生たちは作品のクオリティを向上させていきます。
実施スケジュールと成果の活用
学生たちは設定された課題に基づいて作品を制作し、その過程で中間発表会(2025年9月中旬)を行います。この際、アクアスターの社員が学生の作品に対して講評を行い、最終発表会(2025年10月中旬)において最優秀な作品が選出されます。選ばれた作品は、アクアスターの自社コンテンツ『裏銀座九十九番通り』に登場するキャラクターとして実装される予定です。
企業との連携がもたらす価値
このプロジェクトについて、アクアスターのビジュアルワークス部長である森裕之氏は、「学生が実践的な課題を通じて『仕事としてのクリエイティブ』を体験できる場であることを目指している」と語ります。彼は、制作過程の中で「伝えたいことは何か」「誰に向けた表現か」といった視点を考える重要性を強調し、学生たちがプロの視点に触れて思考を深めるきっかけになればと期待しています。
さらに、福岡デザイン&テクノロジー専門学校の教務部を代表して林秀樹氏も、学生たちがアクアスターの指導の下でクリエイターとして成長するための貴重な機会をいただけたことに感謝を表明しました。学生たちがそれぞれの視点やアイデアを駆使し、期待を超えた提案を目指して真剣に取り組む姿勢を見せています。
福岡デザイン&テクノロジー専門学校について
福岡デザイン&テクノロジー専門学校は「テクノロジーで創造力を仕事にする」という理念のもと、ビジュアル、ゲーム、eスポーツなど21の専攻を展開しています。文部科学大臣認定の「職業実践専門課程」として1300社以上の企業との産学連携教育を実施しており、業界の即戦力となる人材の育成に力を注いでいます。このような実践的な学びを通じて、学生たちは最新技術や実務経験を積み、プロフェッショナルとしてのスキルを磨いています。
株式会社アクアスターについて
1991年に設立された株式会社アクアスターは、ビジュアル制作を中心に活動している企業で、特に広告分野での絵コンテやイラスト制作を手がけています。最近では、アニメやゲームの版権イラスト制作なども行なっており、企業のデジタルマーケティング課題をSNSやメタバース、ARコンテンツを駆使して解決する活動もしています。
このように、アクアスターはデジタルクリエイティブカンパニーとして多様な広告クリエイティブの制作、コンテンツ開発を行い、「明日を生きる力」をユーザーに届けることを目指しています。