EmotionXの挑戦
2025-10-20 10:38:23

ポストAI時代を見据えたEmotionXのデータセキュリティ基盤

ポストAI時代を見据えたEmotionXのデータセキュリティ基盤



2023年10月、UntroD Capital Japanが運営するリアルテックファンドは、完全準同型暗号(FHE: Fully Homomorphic Encryption)技術の商用展開を目指すスタートアップ、EmotionX株式会社への出資を正式に発表しました。EmotionXは、FHEの開発を進め、ポストAI時代における新たなデータセキュリティの基盤を築くためのプロジェクトを始動します。

データセキュリティの新たな時代へ


AI技術の進化に伴い、企業や組織は膨大なプライバシーデータや機密情報を扱うようになっています。しかし、伝統的な計算環境では、情報が復号される過程で漏洩のリスクが存在します。さらに、量子コンピュータの実用化によって、従来の暗号技術は脆弱性を抱えることが指摘されています。このような背景の中、EmotionXはFHE技術を用いて、暗号化データを復号せずに扱える安全な環境を提供しようとしています。

EmotionXの取り組み


EmotionXは、2025年に設立されたスタートアップで、キオクシア社からカーブアウトし、FHE技術の実装に特化しています。FHE技術のクラウドベースのサービスや、専用のハードウェアを開発し、ポストAIを支える新たなデータ基盤を目指しています。具体的には、以下のような開発を行います。
  • - FHE専用クラウド基盤の商用化
  • - FPGAクラスタサーバを用いたPoC(実証実験)と顧客向け実証の加速
  • - FHE専用ハードウェアの設計・開発
  • - 金融機関向けの量子コンピュータ耐性決済システムのPoC
これにより、次世代データ基盤の実現を加速させる狙いです。

資金調達の背景


今回の資金調達は、EmotionXが構築しようとしている新たなデータ基盤の社会実装を加速するために行われました。世界的に注目されるFHE技術の市場導入は、多くの産業にとって重要な課題です。特に、金融、ライフサイエンス、そして宇宙や半導体の分野では、安全かつ効率的なデータ活用が求められています。
化学データの連携や、国際的なプロジェクトにおいても「守りながらつなぐ」データ基盤が急務です。EmotionXの技術は、その実現に向けたソリューションを提供するものとして期待されています。

コメントと展望


UntroD Capital Japanの取締役、山家創氏は、「EmotionXはFHE技術に基づく次世代の暗号基盤を提供し、データの安全な利活用に貢献します。このチームの挑戦を全力で支援していきます」と語っています。

EmotionXは、AI技術の発展と共に重要性を増すデータセキュリティの課題に立ち向かい、私たちのプライバシーを守るための基盤を作り上げようとしています。今後の展開に大いに期待できる企業です。

企業情報


EmotionX
設立:2025年6月
代表者:吉水康人(代表取締役CEO)
資本金:100万円
事業内容:FHEに基づく計算基盤・専用ハードウェアの開発・提供
公式サイト:EmotionX公式

UntroD Capital Japan株式会社は、2015年の設立以来、革新的な技術による社会課題の解決に取り組んできました。今後も新たなスタートアップを支援しながら、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めていきます。
公式サイト:UntroD公式


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会社情報

会社名
UntroD Capital Japan株式会社
住所
東京都港区虎ノ門2-2-1住友不動産虎ノ門タワー 17F
電話番号
03-6630-1000

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