ごみ問題に対する意識を高めるオンラインイベントの開催
2025年10月10日、パルシステム連合会がオンラインで「ごみにまつわるお金のことごみの学校の寺井さんに聞いてみよう!」というイベントを実施しました。このイベントでは、日々の業務でごみの回収や分別、環境問題に取り組む職員たちが参加し、クイズ形式で気軽に学ぶことでごみ問題についての理解を深める機会が提供されました。
ごみの歴史と処理方法の解説
イベントには103名が参加し、オープニングトークでは、「ごみの学校」の寺井正幸代表が、日本のごみ処理の歴史に焦点を当てました。江戸時代にはものを大事に直して使うという文化が根付いており、ごみも少数でした。戦後、経済の復興が始まるとともに、大量生産と大量消費が進み、様々な種類の廃棄物が問題になりました。また、1990年代以降は埋め立て処分場の不足が懸念され、リサイクル法が次々に制定されました。このような歴史を経て、現在は3R(リデュース・リユース・リサイクル)を意識した分別収集も広がっており、循環型社会を目指す取り組みが進んでいます。
ごみ処理にかかる費用
イベントの中では「ごみにまつわるお金」をテーマに、リサイクル原料の売却価格についても触れられました。例えば、ガラス瓶は1kgあたり約2円、アルミ缶は約100円と、リサイクル可能な素材によって価格が異なります。ごみ処理にかかる費用は1kgあたり60〜80円程度であり、私たちが日常的に出すごみの処理費用も税金で賄われています。
また、廃棄物処理を行う自治体ごとに財源が異なり、設備も個々に異なるため、分別ルールにもバラつきがあることが説明されました。現在、埋め立て処分場は約20年分しか残っておらず、食品ロスや海洋プラスチック問題など、さまざまなごみ問題が存在します。
身近な取り組みの重要性
寺井さんはごみ問題に対する意識を高める必要性を訴え、日常生活の中で気をつけるべき具体的なアクションを提案しました。例えば、生ごみを乾燥させることや、プラスチック製品を清掃してリサイクルに出すこと、そして衝動買いを控えることなど、小さな行動が大切だと強調しました。
リユース・リサイクルの現場
イベント後半では、実際にリユースやリサイクルに関わる担当者が登壇し、どのようにごみを分別・回収しているのかを共有しました。「容器包装リサイクル法」などの法律についても言及され、その取り組みがどのように展開されているのかが説明されました。また、参加者に対して資源回収への協力に感謝し、リサイクルを効率的に進めるためのお願いもありました。
寺井さんからは、リサイクルの現状や事業者の取り組みを理解した上で、利用者たちが日々の習慣としてリユースやリサイクルに積極的に参加していることの大切さが述べられました。
未来へのメッセージ
イベントの締めくくりでは、登壇者たちが「ごみを通してわくわくする社会をつくるために私たちができること」を考え発表しました。「ものを長く使える社会」や「ごみが資源になる」といったビジョンが共有され、寺井さんは「パルシステムモデル」としての資源循環システムの重要性を強調しました。
さらに、パルシステムは「配送」と「回収」という宅配の仕組みを活かし、プラスチックやその他の資源を循環させる活動を進めています。また、商品の簡易包装やリユース可能な容器の導入も進めており、利用者への呼びかけも強化し、環境への負荷を軽減する努力を続けています。
環境保全活動への取り組み
2023年、パルシステムグループは「脱炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」を達成するための政策を策定しました。2025年には「Thanks Earth!」をテーマにした様々なアクションが展開され、環境意識を高める活動が行われています。これからも、パルシステムは持続可能な環境と社会の実現に向け、さまざまな取り組みを続けていくことでしょう。