インフルエンザAウイルスに対するきのこの驚きの効果
今回、ホクト株式会社と富山大学大学院医学薬学研究部が共同で行った研究成果が、日本機能性食品医用学会第8回大会で発表され、注目を集めています。この研究は、インフルエンザAウイルスの感染におけるきのこの摂取効果を明らかにするもので、特にブナシメジとホンシメジに高い効果が確認されました。
インフルエンザの季節到来
毎年、インフルエンザは11月下旬から12月上旬にかけて流行し、1月から3月には患者数がピークを迎え、4月から5月にかけて徐々に収束します。特に昨年の2009年には、新型インフルエンザ(H1N1)が世界中で猛威を振るい、多くの人々が健康を脅かされました。これに対抗するため、ワクチン接種や抗インフルエンザ薬の使用が推奨されていますが、これに伴う副作用が問題視されています。
きのこの健康効果
抗インフルエンザ薬の副作用を避けつつ、感染予防に役立つ食品の探索が進められています。そこで、日常的に摂取されるきのこに注目が集まり、その免疫力向上作用が研究されています。特に、きのこは豊富な栄養素を含み、体の抵抗力を高める効果が期待されています。具体的には、きのこの中でも特にブナシメジとホンシメジが優れた抗インフルエンザ感染作用を持つことが確認されました。
実験の概要
実験では、マウスにインフルエンザA型ウイルス(PR8株)を感染させ、その前7日間にわたってきのこを含む食餌を与え、9日間にわたって観察が行われました。きのこの投与量は1日1回、1000mg/kgとし、実験対象はホンシメジ、ブナシメジ、ブナピーの3種類です。
実験結果の分析
実験結果は以下の通りです。
- - 生存率の向上:きのこを摂取したマウスは、インフルエンザ感染後の生存率が高まりました。
- - 体重の維持:きのこ摂取群は、感染5日後の体重減少が抑制され、健康状態が改善されることが示されました。
- - 長期的効果:感染9日後の生存率も、きのこを摂取したマウスの方が良好でした。
今後の展望
この研究から、きのこは日常的に摂取が可能な安全な食材であり、インフルエンザ感染の予防に寄与する可能性があることが明らかになりました。また、抗インフルエンザ薬の使用時にも、その副作用を軽減できると期待されています。
研究の詳細は、日本機能性食品医用学会第8回大会で発表され、今後もさらに多くのデータが集まることが予想されます。きのこの健康効果に対する期待が高まる中で、日々の食生活にどう取り入れるか考えていくことが重要です。