発酵由来の新たな食品革命:フェルメクテスが資金調達
山形県鶴岡市のフェルメクテス株式会社が、プレシリーズAラウンドにおいて2.5億円の資金を調達した。この資金は、発酵由来の新世代タンパク質食品「kin-pun(きんぷん)」の研究開発や量産体制の確立に使用される。今回の調達先には、株式会社博報堂や株式会社平田牧場など名だたる企業が名を連ねている。
「kin-pun」:納豆菌の力を活かした次世代タンパク質
「kin-pun」は、納豆菌(Bacillus subtilis var. natto)を用いた粉末状の発酵性タンパク質食品だ。特徴としてグルテンフリーで高タンパクという機能性に加え、発酵による香りや旨味があり、パンや麺、菓子、ソース、ドレッシングなど多様な用途に展開可能だ。訪問された方々はこの新しい食品を試食し、その美味しさに驚きの声を上げている。
今後の展望:持続可能な食文化を目指して
フェルメクテスは、「人類と動物、植物、そして地球が共存できる未来を実現する」というビジョンを掲げており、微生物発酵技術と日本の伝統発酵文化を融合した食の研究開発に取り組んでいる。2025年には内閣府の「地方大学・地域産業創生交付金事業」に採択され、地元企業との連携を深めている。
資金の使途と研究開発の強化
今回の資金調達で得た資金は、以下の領域に重点的に投入される予定だ。
- - 「kin-pun」の量産スケールの拡大と安定供給体制の確立
- - 独自の機能性に関する研究開発の充実
- - 食品業界・外食チェーンとの販路開拓
- - 専門人材の採用や経営体制の強化
株式会社平田牧場の新田嘉七社長のコメント
新田社長は、フェルメクテスが納豆菌を活かした新しいタンパク質素材の開発に取り組む姿勢が、持続可能な食の未来に向けた意義深い挑戦であると評価。「kin-pun」の機能性に注目し、その発展を期待しているとのことだ。
資金調達を受けての代表取締役 大橋由明氏の思い
代表取締役の大橋氏は、今回の資金調達に感謝の意を示し、「納豆菌の力に未来の食の可能性を見出したい」と語った。地元庄内地方から世界へ新しいタンパク質食品を浸透させるため、研究開発や量産体制の整備を一層加速させていく方針だ。
フェルメクテスの社会的意義
フェルメクテスの取り組みは、食料の持続可能性と健康に寄与するものであり、経済や地域振興の側面からも重要な役割を果たす。微生物発酵技術の活用により、食品業界の新たな可能性が開かれつつあり、その成果が期待されるところだ。これからの展開に注目したい。
会社概要
- - 会社名:フェルメクテス株式会社
- - 所在地:山形県鶴岡市覚岸寺字水上246-2
- - 設立:2021年7月
- - 代表者:大橋由明
- - 事業内容:発酵を活用した新タンパク素材の研究・開発・製造・販売
- - 公式サイト:fermecutes.com
このように、フェルメクテスの挑戦は、現代の食文化に新たな風を吹き込む可能性を秘めている。新しい発酵食品が市場に出回り、私たちの食卓に新たな選択肢を提供する日も近い。