MANGA総研が報告した新たなマンガアニメIP市場調査
今年設立された一般社団法人MANGA総合研究所(通称:MANGA総研)は、マンガやアニメといったIP(Intellectual Property)の市場に関する調査を行うことを発表しました。この調査は、マンガやアニメを起源とするIPが、ゲーム、グッズ、ライブエンターテイメントなど様々な業界に広がっていることを受けて、その規模を把握するためのものです。過去には毎年続けて行われる一貫した形での調査が行われていなかったため、本調査は特に注目を集めています。
グローバル市場規模の算定
MANGA総研が発表した第0回調査の結果、マンガやアニメIPの世界市場規模はおおよそ3.7兆円に達するとされています。これに関連するメディアの主な内訳は、マンガ、映像、グッズの3つの領域でそれぞれ約1兆円ずつであり、ゲームは0.5兆円程度と算出されています。
特に海外市場は、2022年の時点で約1.5兆円となり、全体の約4割を占めています。この割合は年々増加しており、2026年頃には半数近くに達する見込みです。特に、海外のマンガ市場や映像配信市場は成長が著しく、前年比で15〜18%の増加が予想されています。
注目の市場領域
今後成長が期待される市場には、ゲームと海外グッズ市場が上げられています。ゲーム市場においては、『ポケモン』や『マリオ』などの任天堂関連IPを除いたマンガやアニメの人気キャラクターの市場が依然として大きく、モバイルゲームや海外市場での展開が伸びしろとして期待されています。
また、海外グッズ市場は推定で約5,268億円にのぼり、正確なデータが不足しているため、その実態はさらに大きい可能性があることも指摘されています。
個別IP調査結果
調査の中では5つの人気作品、『呪術廻戦』『ONE PIECE』『名探偵コナン』『進撃の巨人』『俺だけレベルアップな件』についても市場規模の測定が行われました。例えば、『ONE PIECE』の市場規模は2022年には約3,000億円に達し、そのうちの約2,000億円がグッズによるものであるとされています。
『呪術廻戦』も年あたりで推計すると約1,000億円、そして『進撃の巨人』は累計で1,000億円以上の規模を持つと見込まれています。こういった個別の数値分析が行われたのは今回の調査が初めてであり、今後のIP市場の成長を示唆する重要なデータと言えるでしょう。
今後の展望
MANGA総研はこの初回調査を皮切りに、より精度の高いデータ収集や市場分析を通じて、毎年定期的に調査結果を公表することを目指しています。将来的には、IP別の決算開示が進むことで、各作品の市場規模をより統一的に比較可能となることが期待されています。
MANGA総研は、これらの調査結果をIMART2024において発表する予定であり、さらなる関心を集めることが予想されます。これにより、マンガアニメIPの未来展望や新たなビジネスチャンスが広がるかもしれません。
本調査結果や今後の活動については、公式ウェブサイトや報道を通じて引き続き注目していきたいと思います。