食卓だけじゃない、食の本の楽しみ
2025年4月17日、稲田俊輔氏の新刊『食の本ある料理人の読書録』が集英社新書から発売される。この本は、食に関する25作品を通じて「食」とは何かを深く掘り下げる内容になっている。著者の稲田氏は料理人であり実業家、そして文筆家としても広く知られている。食にまつわる様々な書籍を通じて、彼自身の体験や理念を織り交ぜ、読み手に新たな視点を提供する。
誰もが考える「食」とは
未曽有のコロナ禍を経て、多くの人が食卓の在り方や外食の意義について再考する機会を持ったことでしょう。そんなタイミングに、この書籍は「食」と向き合うための一つの指南書となる。著者は「食はただの栄養源ではなく、文化や歴史が詰まった重要な要素である」と言います。読書を通じて、食が持つ深さや意味合いを再確認することができるだろう。
厳選された25作品の魅力
書籍の中で紹介されるのは、古今東西から厳選された食に関する25作品である。その中には、水上勉の『土を喰う日々─わが精進十二ヵ月─』や、平野紗季子の『生まれた時からアルデンテ』といった、名作が揃っている。各作品は、単に料理の技術やレシピに留まらず、食文化や哲学を探求した内容であり、著者がそれぞれの作品についての考察や感想を丁寧に綴っている。これにより、読者は食に対する新たな視野を開くことができるだろう。
食を通じて自己を見つめ直す
稲田氏は自身の人生と著作を絡めながら、読者に「食」について考える機会を提供している。例えば、料理人としての経験や、食に対する愛情、さらには自身の成長を描く中で、読者が食を通じて自己を見つめ直すきっかけにもなり得る。料理を作ることはもちろん、食べることさえも新たな観点から理解し、味わうことができるのだ。
読書の醍醐味を再発見
この書籍では、食を語ることで読書の新たな楽しみ方を教えている。「読んで味わう」というテーマは単なる言葉遊びかもしれないが、実際には本を読むことがどれほどの感動をもたらすかを思い出させてくれる。食の本を通じて、自分自身がどのような食を育んできたかを考え、さらにはこれからの食の在り方についてのヒントを得ることができる。
稲田俊輔のプロフィール
著者の稲田俊輔は鹿児島県出身で、京都大学を卒業後、飲料メーカーに勤務しつつ、円相フードサービスの設立に携わった経歴を持つ。南インド料理専門店「エリックサウス」を始めとする多様な飲食店の展開やメニュー開発を手がける一方、レシピ本や随筆など多彩な執筆活動を行っている。この『食の本ある料理人の読書録』は、彼の食への探求の集大成とも言える一冊だ。
私たちが食を通して人生をどう楽しむか、どう人と接するかを考えるきっかけをこの本から得ることができるだろう。日常の「食」が新たな発見の連続であることを、この書籍が証明してくれる。
書籍情報
- - タイトル: 食の本ある料理人の読書録
- - 著者名: 稲田俊輔
- - 発売日: 2025年4月17日(木)
- - 定価: 1,067円(税込)
- - ページ数: 224
- - 判型: 新書判
- - ISBN: 978-4-08-721357-7
- - 出版社: 集英社新書
この機会に、食と読書の新たな楽しさに目を向けてみよう。