キヤノンITSが日本オペレーションズ・リサーチ学会から受賞
キヤノンITソリューションズ株式会社、通称キヤノンITSは、2026年9月10日に日本ATMビジネスサービス株式会社とともに「第46回事例研究賞」を受賞しました。この賞は、同学会の機関誌「オペレーションズ・リサーチ」に掲載された論文「移動効率と有高適正化を両立するATM共同装填計画の立案」に対して授与されたものです。受賞式では、日本OR学会の会長吉瀬章子氏とキヤノンITSの中尾芳隆氏が共に表彰状とメダルを受け取りました。
背景:ATM現金装填業務の課題
ATMにおける現金装填業務は、ユーザーが常にサービスを利用できる環境を維持するために重要な役割を果たしています。しかし、ATM内の現金不足や過剰が発生することは、サービスの停止や業務の非効率を引き起こすことがあります。従来の方法では、各金融機関が独自に装填計画を立てるため、近くに位置するATMでも異なる車両で訪問することが多く、資源の無駄遣いが発生していました。
そこで、キヤノンITSは、入出金の予測に基づいた数理的最適化手法を用いて、ATMの共同装填計画を一元化することを目指しました。この研究により、複数の金融機関のATM運用の効率性を高め、サービスの安定性も維持することが可能となりました。
受賞理由:革新的な予測手法
キヤノンITSが開発した方法は、曜日別利用傾向やイベント日、給与支給日などを考慮したATMごとの入出金予測を行います。この予測と最新の現金量を基に、最適な訪問回数や移動効率を追求しながら現金の保管量を調整することができるのです。この結果、実際には全国の約3万台のATMの計画を日々自動で作成し、特定の金融機関では訪問回数を実に45%、ATM内の保管現金量を20%も削減しました。
さらなる展望:数理技術の可能性
今後もキヤノンITSは、今回の受賞を糧として、数理技術の活用領域を広げていく方針です。金融分野にとどまらず、生産、物流、環境問題などさまざまな領域でのニーズに応じたデータドリブンな意思決定を支援していくことにより、企業と社会の双方の課題解決に寄与することを目指しています。
受賞された技術は、ATM運用の効率化だけでなく、広い視野での業務改善を見据える重要な歩みです。キヤノンITSがこれからどのような新たなサービスや技術を展開していくのか、非常に楽しみです。