米国Architizer主催の建築賞で最優秀賞を受賞した日比野設計の業績

株式会社日比野設計が米国の建築賞でダブル受賞

2025年のA+AWARDにおいて、株式会社日比野設計が行った「FK Kindergarten and Nursery」と「Cheer Kindergarten」が、米国の著名な建築メディアArchitizer主催の建築賞でそれぞれ最優秀賞を受賞しました。この業績は、教育施設設計における革新的なアプローチを示すものとして特に高く評価されています。

FK Kindergarten and Nurseryの特長

長崎県内の特異な地形に建つ「FK Kindergarten and Nursery」は、既存の園舎と園庭を最大限に活用しながら、子どもたちに必要な教育環境を構築しました。この施設は、狭隘な土地と高低差を逆手に取り、立体感と奥行きを活かした設計が特徴です。具体的には、敷地形状を巧みに活かしたため、建設時の土の搬入・搬出を最小限に抑え、環境への配慮も考慮しています。

プロジェクトの概要

- 所在地: 長崎県長崎市
- 設計監理: HIBINOSEKKEI + Youji no Shiro + KIDS DESIGN LABO
- 敷地面積: 2730.38m²
- 建築面積: 820.53m²
- 延床面積: 1075.25m²
- 構造規模: 木造、地上2階建て

この施設では、子どもたちが駆け回り、身体を使って遊ぶことができる環境が整えられています。利用者たちは、この独特な空間がもたらす学びの機会を高く評価しました。

Cheer Kindergartenの革新性

一方、中国の深センに位置する「Cheer Kindergarten」では、既存の4層の吹き抜け空間を活用した改修設計が行われました。幼児教育施設では通常、危険視されがちな吹き抜けをあえて開放的に保ち、その中に子どもたちが遊ぶための鳥の巣を模したオブジェを配置することで、利用者同士の交流を促進しています。

プロジェクトの概要

- 所在地: 中国深セン市
- 設計監理: HIBINOSEKKEI + Youji no Shiro
- 敷地面積: 2743m²
- 建築面積: 1110m²
- 延床面積: 4240m²
- 構造規模: 鉄筋鉄骨コンクリート造、地下1階、地上4階

こちらの施設では、立体的な空間設計が子どもたちの異年齢交流を促進し、ソフトとハードが見事に融合していると評価されています。

A+AWARDとは

A+AWARDは、Architizerが主催する建築賞で、毎年多国籍のプロジェクトから選ばれた作品が競われます。2025年では、世界80カ国以上から4000以上のプロジェクトがノミネートされ、各カテゴリーでファイナリストが選考されるため、受賞は非常に名誉なことです。このプラットフォームは、700万人以上のフォロワーを持ち、建築業界における影響力のある組織として知られています。

日比野設計の取り組み

株式会社日比野設計は、幼児施設に特化した設計を専門としている企業で、1972年に設立されました。同社のホームページでは、これまでの実績や研究成果についても詳しく知ることができ、保育環境の総合的なコンサルティングも行っています。公式サイト: 日比野設計

このように、日比野設計は今後も教育施設の設計において革新を求め続け、さらなる発展を目指しています。