伝統の京町家を受け継ぐ事業承継の背景
京都府舞鶴市を拠点に地域の暮らしを支えてきた株式会社大滝工務店(代表取締役:大滝雄介)は、2026年3月6日に株式会社アラキ工務店(京都市右京区、代表取締役:荒木勇)の株式を100%取得し、事業を継承することを発表しました。この承継は、単なる企業の存続にとどまらず、京町家という伝統的な建築様式の保存と、優れた技術の継承を目指すものです。
近年の中小企業の現状
昨今、日本全国では後継者不在による中小企業の廃業が深刻な問題となっています。特に京都の伝統的建築「京町家」の保全を担う職人の継承は、文化的な損失を回避するための重要な課題です。アラキ工務店は1925年の創業以来、約100年間にわたり京町家の改修・保全に従事してきた伝説の工務店であり、優れた技術力を持つ職人集団として知られています。しかし、後継者問題に直面し、事業承継の必要性を認識しました。
大滝工務店の理念
一方、大滝工務店は1952年に創業以来、「本物の大工を育てる」ことを企業理念に、地元・舞鶴で地域に根ざした事業を展開しています。アラキ工務店の職人育成に関する高い志と技術的知見に共鳴し、文化資本を途絶えさせないための使命感から事業承継に至りました。両社の間にある「大工を育て、地域の暮らしと文化を守る」という共通の志は、承継の延長線上に位置付けられています。
承継の意義
本事業承継によって、アラキ工務店は長年培ってきた京町家改修の技術が、組織として永続的に受け継がれることが期待されています。伝統的な工法だけでなく、地域固有の建築慣習への理解、材料の選別といった技能は、次世代の職人にしっかりと引き継がれ、地域の建築文化を支える基盤となります。
また、両社の共同での社員大工の育成により、京都と舞鶴という二つのフィールドでの連携が進むことで、大工としての新たなキャリアパスが生まれ、職人の成長も期待されます。
新たなM&Aのモデル
中小企業M&Aの新しいモデルとされる本件は、利益や規模だけでなく「同じ志を持てるか」が基準となっている点が特徴です。この承継が、同じような悩みを抱える企業や支援機関にとっての参考となればと願われています。
代表のコメント
事業承継に伴い、アラキ工務店の前代表荒木勇は取締役会長に就任し、大滝工務店の専務取締役柴田秀俊が新たに代表取締役に就任します。荒木会長は、長年にわたり守ってきた技術と共に誇り高い職人たちを、大滝工務店に託す決断をしたことを明かしました。
新社長の柴田秀俊は、アラキ工務店が築いた資産を継承する責任を強く感じており、職人たちと真摯に向き合い、この伝統をさらに発展させるために全力で取り組む意向を示しています。大滝工務店の大滝雄介も、この貴重な技術と人材を受け継ぐ重要性を強調しており、地域全体の建築文化への貢献を勧める姿勢です。
会社概要
株式会社アラキ工務店
- - 創業: 1925年
- - 所在地: 京都府京都市右京区梅津高畝町52-2
- - 事業内容: 京町家の改修・保全、一般建築
- - HP: アラキ工務店
株式会社大滝工務店
- - 創業: 1952年
- - 所在地: 京都府舞鶴市字南田辺126-5
- - 事業内容: 住宅、リフォーム、オフィス、社寺の設計・施工
- - HP: 大滝工務店
問合せ先
株式会社大滝工務店広報 湯田
電話: 0773-75-3241
メール:
[email protected]