教育現場の変革を目指す挑戦
2015年4月、私の教員としてのキャリアが始まりました。当時の私は希望に胸を膨らませ、初めて子どもたちの前に立ったのですが、教室で立ち尽くす自分がいました。「どうやって指導すればいいんだろう…」と、頭の中で悩みが渦巻いていたのです。大学での教えを学んではいるものの、実際の教室での経験はゼロ。気づけばあっという間に、私は教員1年目で学級崩壊を経験することになってしまいました。
授業がうまく進まない子どもたちとの関係も構築できず、毎日「これでいいのか」という疑念に苛まれました。それと同時に、うまくいかない教室の中で子どもたちに対して何度も心の中で「ごめんね」と謝っていました。「普通に授業ができ、学級経営ができる教師になりたい」という願いが、当時の私を支えていたのです。
働き方改革の必要性
しかし、あの学級崩壊は本当に私一人の問題だったのでしょうか。この現象は、教育現場全体の構造に起因しています。文部科学省の調査によれば、教員の長時間労働や精神的な負担が蔓延しており、それが精神疾患による休職者の増加にもつながっています。また、若手教員の離職も深刻で多くの教員が、3年目を迎えるまでの間に辞めてしまう現実があるのです。
そんな中、私はこの状況を何とか変えたいと強く思うようになりました。教員12年目の今、担任としての日々はやりがいに満ちており、当時の学級崩壊が嘘だったかのように充実した時間を過ごしています。しかし、一方で彼の時期に過ごした眠れない夜や「辞めたい」と思った経験、何度も子どもたちに心を痛めたことを忘れることはできません。
教育の現実と支援
教育現場には、即戦力を求める構造があり、現場に出た瞬間から多くの責任を背負わされます。例えば、新年度の2日目から始まる給食指導に関しても、教育志望の大学生の約15%が、大学でその授業を受けたことがあると答えている一方、多くが「そのような授業は必要だった」と述べています。このように、現場で求められる技術や知識が十分に育成されていないことが問題です。
この状況が続く限り、学級を経営することなどできるはずもないのです。初任者が苦しみ、辞めていく姿が目の前にあります。その代わりに教員が補充されず、残された教員がさらに疲弊する。この個人依存の構造が、日本の教育現場では毎年繰り返されているのです。
教育新未来に向けて
そのような危機感を抱えながら、私は地域社会で変革をもたらすために、NPO法人「教育新未来」を設立しました。長崎県大村市を拠点に、月に一度勉強会を開き、約40名の教員が参加しています。オンラインでも参加可能で、地域を越えたつながりと学びの場を形成しております。
また、教育に興味のある社会人や学生も参加しており、多様な観点から教育を考える機会となっています。実践の共有やアイデアの交差を促し、教師同士の力を引き出す活動に注力しています。SNSでの発信も行い、8,000名以上のフォロワーを抱える教育コミュニティとして、リアルタイムで教育現場の情報を提供しています。
教育フェスと今後の展望
最近では、「長崎教育フェス」を開催する運びになり、立場を超えて教育について真剣に語り合う時間を持ちました。地方の教育がより良くなるためには、多くの方と手を携えて進まなければなりません。この活動を通して、「一人で悩まなくてもよい」「明日にも実践できるアイデアがある」と少しでも思ってもらえれば幸いです。
未来への希望を抱きながら、一人一人が教育を変える力を持つことを信じ続け、今後も活動を続けていきたいと思っています。現場の声を社会に届けて、教育をより良い方向へと導くための努力を惜しみません。教育は一人では変えられないと強く感じているからこそ、たくさんの専門家や仲間と協力し合い、進んでいくことが本当に大切なのです。