韓国でVisaとKOTRAが貿易決済プラットフォームを導入 - 新たな国際取引の時代へ
VisaとKOTRA、世界初の貿易決済プラットフォームを韓国で導入
2024年10月末、VisaとKOTRA(大韓貿易投資振興公社)が共同で開発したGlobal Trade Payment Platform(GTPP)が始動します。このプラットフォームは、カードによる貿易決済を実現するもので、韓国の企業や海外のバイヤーに新たな利便性を提供します。
1. GTPPの目的とメリット
GTPPの導入は企業のセキュリティとキャッシュフロー管理の向上を目指しており、特に韓国の中小企業にとって大きな利点となります。中小企業は経済の重要な基盤であり、これまでの決済方法では多くの課題を抱えていました。GTPPによって、海外の購入者はカード番号を入力するだけで簡単に決済を完了できます。このシステムはモバイルでも利用可能で、利便性が一層向上します。
2. 提供開始国と展望
まずは2024年に韓国の上位貿易相手国である日本、台湾、シンガポール、米国、メキシコの5市場においてサービスを提供開始します。今後3年間で更に20か国に拡大する予定です。これにより、より多くの中小企業が国際貿易の機会を享受できるようになります。
3. キャッシュフロー改善
GTPPにより支払い回収の迅速化が図られ、韓国の輸出業者のキャッシュフロー状態の改善が見込まれています。K-SURE(韓国貿易保険公社)の報告によると、韓国の中小企業の輸出品の代金回収期間は平均68日で、約30%が遅延しています。この新プラットフォームはその改善に寄与することが期待されています。
4. コストの削減とリスク管理
GTPPでは決済コストが通常のカード決済手数料よりも低く設定されています。また、韓国の輸出業者と国外の輸入業者間で負担を分担する仕組みにより、両者の経済的な負担も軽減されます。さらに、カード発行プロセスには複数の検証段階が組み込まれており、詐欺防止にも配慮がされています。
5. Visaのビジョン
Visaのアジア太平洋地域のコマーシャル・資金移動ソリューション責任者、チャビ・ジャファ氏は、「我々の国際ネットワークを利用して、安全でシームレスなビジネス取引を実現することに努めています。韓国におけるB2B決済市場の成長を背景に、このプラットフォームの導入は大きな意義があります」とコメントしています。これにより中小企業が成長できる環境を整えることを目指しています。
6. まとめ
GTPPによって韓国の中小企業は今後、国際貿易において更なる成長を遂げる可能性があります。VisaとKOTRAの提携により、貿易決済が容易になり、新たなビジネスチャンスへと繋がることが期待されます。従来の送金方法に代わるこの革新的なプラットフォームは、国際貿易の未来を切り拓く一助となるでしょう。
会社情報
- 会社名
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ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社
- 住所
- 東京都千代田区丸の内2-4-1丸の内ビルディング24階
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