オープンデータの未来
2014-01-16 22:12:17
朝日新聞社が開催したシンポジウムで語られたオープンデータの未来とは
オープンデータが社会を変革する可能性
2023年10月16日、朝日新聞社は東京都中央区の浜離宮朝日ホールで「オープンデータが社会を変える~共創によるイノベーション~」と題したシンポジウムを開催しました。マサチューセッツ工科大学の石井裕副所長を招き、技術の進展によって容易に利用できる大量のデータをどのように活用するかについての重要な議論が展開されました。
このシンポジウムは、「未来メディアプロジェクト」として設けられ、オープンデータの重要性やその取り組みをメディアとして推進することを目的としています。シンポジウムには、政府、企業、自治体、市民社会の代表者や一般参加者が約250人集まり、活発な議論が繰り広げられました。西村陽一社取締役は、「オープンデータの時代において、ビッグデータをどう活用するかが問われています」と述べ、これを機に社会的課題の解決に向けた考察を深める必要性を強調しました。
部門ごとのパネリストたちが登壇し、各自の視点からオープンデータ活用の意義や社会的価値について意見を交わしました。基調講演を行った石井副所長は、データ活用の現状や今後の課題について、特にビッグデータの特性や利用方法に焦点を当てました。「ただ単にデータを持っているだけでは、本質的な情報は得られない。目的を持って情報を取り扱う方法論が必要だ」と語り、オープンデータの潜在的な力を強調しました。
続いてのパネルディスカッションでは、千葉市の熊谷俊人市長が自治体におけるオープンデータの取り組みについて紹介しました。また、メディネットグローバルの西野嘉之CEOや「コード・フォー・ジャパン」の関治之氏などがそれぞれの立場から意見を述べ、プライバシー保護やデータ分析者の育成の重要性についても議論されました。特に、自治体のデータ活用については、具体的な成功事例も交えて解説され、参加者の関心を集めました。
シンポジウムの最後には、朝日新聞社が企画している「データジャーナリズム・アイデアソン」と「ハッカソン」の開催も発表されました。これらは、記者やエンジニア、デザイナーが共に社会課題を解決するためのツールを開発するイベントです。特にハッカソンは、ソフトウェア開発の現場においてチームで集中的に作業を行うイベントで、参加者は取材で得たデータをもとに問題意識を持ち寄り、社会的課題に対する解決策を考える機会となります。これには、行政が提供するオープンデータも活用され、実際の社会問題へのアプローチが期待されています。
今回のシンポジウムは、データ利活用の可能性を感じさせる場となりました。朝日新聞社は、今後もオープンデータの活用を促進し、社会に新たな価値を提供する取り組みを続けていく意向を示しています。次回の成果発表は2024年5月に、MITメディアラボとの共催で行われる予定です。このような取り組みが、メディアの形や社会の在り方を根本的に変える一助となることに期待がかかります。
会社情報
- 会社名
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株式会社朝日新聞社
- 住所
- 東京都中央区築地5-3-2(東京本社)
- 電話番号
-
03-2354-7105