鳥羽商船高専が高専プロコンで最優秀賞を受賞!
三重県鳥羽市に位置する鳥羽商船高等専門学校(以下、鳥羽商船高専)が、第35回全国高等専門学校プログラミングコンテスト(高専プロコン)で最優秀賞と文部科学大臣賞を獲得しました。このコンテストは、学生たちのプログラミング技術を生かしてアイデアや技術を競う場として、多くの注目を集めています。
高専プロコンとは
全国高専プロコンは、高等専門学校に在籍する学生たちが自ら培ったプログラミングスキルを活用し、競技形式で技術力やクリエイティビティを示すコンテストです。プレゼンテーションやデモンストレーションが重視されており、学生たちはただプログラムを書く技術だけでなく、自分たちの作品を効果的に説明する力も求められます。特に今年の課題部門では「ICTを活用した環境問題の解決」がテーマとなり、その中から選ばれたプロジェクトが評価の対象でした。
地域課題に目を向ける学生たち
観光地として知られる鳥羽市は、地元住民と多くの観光客が行き交う地域です。市内のインフラ整備が進められる中、鳥羽商船高専の学生たちは地域社会の課題に焦点を当て、教育実施の一環としてPBL(プロジェクトベースドラーニング)を通じた取り組みを行っています。彼らが特に注目したのは、公共施設であるトイレやゴミ箱の情報提供です。観光客にとって必要なこれらの情報があまり知られていないため、利便性向上を目指したプロジェクトが進められています。
Triplean(トリップリン)の開発
鳥羽商船高専の学生チームが開発した「Triplean」は、多言語対応の清掃支援システムです。旅行を意味する「Trip」と掃除を意味する「clean」を組み合わせた名前からもわかるように、観光客が安心して訪れることができるサポートを目指しています。このシステムは、観光客と地域住民が共に快適に過ごせる環境を提供することを意図しており、三重県鳥羽市観光課のアドバイスを受けながら開発が進められました。
Tripleanの主な機能
1.
施設検索アプリ: トイレやゴミ箱の設置場所を簡単に探すことができる機能。
2.
清掃募集アプリ: 清掃員に最適な場所を委託するため、ユーザーからの評価や情報をもとにマッチングします。
3.
施設状態分析機能: 施設の使用状況と利用満足度を調査し、改善に役立てます。
特に、施設検索アプリは多言語に対応しているため、訪日観光客にも易しく利用してもらえる設計になっています。バリアフリー情報なども提供され、観光の質向上に直接寄与することが期待されています。
さらなる実証実験を目指して
プロジェクトのリーダーである白川さんは、「高専プロコンの最優秀賞を受賞できたことに大変感動しています。これまでのサポートに感謝しつつ、私たちの開発したTripleanが多くの方に利用され、地域活性化に貢献できるよう、実証実験を重ねていきます」と語りました。彼は、Tripleanが観光客、地域住民、市町村の三者に利益をもたらすシステムであることを強調し、さらに改善を行うことで、信頼されるサービスとして認知されることを期待しています。
鳥羽商船高専の歴史
鳥羽商船高専は1875年に設立され、日本に存在する商船系高専の中でも最も歴史があります。商船学科と情報機械システム工学科の2つの学科があり、学生たちは高度な知識と技術を習得しながら地域や国際的に活躍できる技術者として成長しています。学校の公式サイトもぜひチェックしてみてください。
学校名: 独立行政法人高等専門学校機構鳥羽商船高等専門学校
所在地: 三重県鳥羽市池上町1番1号
詳しくは
鳥羽商船高専のウェブサイトをご覧ください。