精巧な技術で新たな扉を開く「EXC100L+」
株式会社ソディックから、業界待望の新型超精密ワイヤ放電加工機「EXC100L+」が発表されました。この最新モデルは、省エネ性能と高精度加工の両立を目指して開発されており、AI需要の増加や高速光通信ネットワークの普及に伴い、電子部品や半導体業界、さらには医療機器業界などでのニーズに応えています。
最大25%の省エネを実現
「EXC100L+」は、最小駆動単位が0.01µmであることから、ナノ領域での精密加工が可能です。従来機の「EXC100L」の性能を引き継ぎつつ、新たに加工液処理の制御を最適化することで、消費電力を最大25%削減することに成功しました。これにより、省エネも実現しつつ、加工精度のさらなる安定化に寄与することが期待されています。
先進の自動結線機能を搭載
狭ピッチ金型の加工には、φ0.02mmの超極細ワイヤを用いた自動結線機能が重要です。「EXC100L+」では、結線用のパイプがワーク上面に接触することで、凹凸のある加工物にも対応可能です。さらに、MTフェルール向けの特別機能を含む「MTFパッケージ」も用意されており、安定した結線が実現します。
高級感あふれるデザイン
デザイン面でも、「EXC100L+」はガンメタルグレイの塗装色を採用して高品質感を演出しています。LEDライトや銘板が視認性を高め、機械の稼働状態を把握しやすくなっています。
世界初の完全非接触テーブル
本機は、自社製セラミック製エアスライダーとリニアモータを組み合わせた完全非接触のXY直交テーブルを採用しています。これにより、摩擦や摩耗が抑えられ、最小タクトタイムで高精度加工が可能となりました。エアを利用することで、スライドの安定性が保たれ、ピッチングやロールが最小限に抑えられます。
高精度加工液冷却装置の搭載
この最新モデルには、加工液の流れや温度を最適化するための高精度加工液冷却装置も搭載されています。これにより、省エネ性能と高精度を両立させています。特に、LP2W電源を利用することで、熟練作業者のノウハウを超えるナノ領域加工が実現できるとしています。
微細穴加工の結果
新機の実力を証明するかのように、φ0.05mmのΦワイヤを用い、SKD11材に対し微細穴加工を実施したところ、ピッチ精度や穴径精度±0.5μm以内を達成しました。これにより、MTフェルール金型の高精度加工が可能となります。
結論
株式会社ソディックが発表した「EXC100L+」は、技術革新を遂げた超精密加工機として、業界のさらなる発展に寄与することが期待されています。販売価格はオープン価格で、年間24台の生産を目指しています。
今後の進展にも注目です。