次世代自動運転トラックの実証実験が始動
2024年度から、新東名高速道路で自動運転レベル4トラックの実証実験が行われることが決定しました。この試みは、総務省が指導し、株式会社三菱総合研究所(MRI)が受託する形で進められます。当事業では、自動運転トラックが安全かつ効率的に走行できる通信インフラの確立を目指しています。
背景と目的
日本政府は「デジタルライフライン全国総合整備計画」に基づき、自動運転トラックの実証実験を展開しています。新東名高速道路の一部区間(駿河湾沼津SA~浜松SA、約100km)を利用し、V2N通信を通じて車両と通信ネットワークの連携を強化することで、自動運転の円滑な運行を目指します。この実験によって、V2N通信技術の有効性や信頼性を検証し、将来的な社会実装を見据えたデータを集めることを目的としています。
V2N通信の重要性
V2N通信は、移動体と固定通信ネットワークとの間で双方向のデータ通信を行う技術であり、自動運転に不可欠な情報交換の要素です。これにより、リアルタイムでの運行管理や異常時のリカバリーが可能になります。本事業を通じて、様々なサービスを提供し、その実績を積み上げていく計画です。
実証実験の内容
本実証実験では、以下の二つの重点施策が進められます。
1.
V2N通信の通信品質改善方策評価
既存の通信環境の課題を特定し、新しい通信技術や手法を対象区間に適用し、定期的に通信品質の実測を行います。これにより、常時接続性や通信の安定性、冗長性を向上させ、より信頼性の高いインフラの構築を図ります。
2.
V2N通信を用いたサービスの実証実験
自動運転車両が実際に新東名高速道路の特定区間を走行し、先読み情報や遠隔監視サービスを実験します。先読み情報とは、車両が直面する可能性のある交通イベントや道路状況をリアルタイムで提供する技術であり、遠隔監視は車両の運行状態をのぞき見し、適切にサポートするシステムです。
各社の役割
本事業には、複数の企業が関与しており、各社の技術力を活かして実証実験の計画を進めています。 MRI は全体のコーディネートを行い、自動運転を支える重要なインフラの整備に関する戦略立案を担います。具体的には、以下の企業がそれぞれの役割を果たします:
V2N通信の通信品質改善策を提供し、「先読み情報」のシステムを構築。
高品質なICTサービスを提供し、信頼性の高い通信インフラの構築を推進。
自動運転技術の社会実装を目指し、運行管理やモニタリングの業務全般を担当。
高信頼性ネットワークを提供し、自動運転との連携を実現。
他の企業も様々な技術やシステムを提供し、実証実験を円滑に進行させます。
期待される成果
この事業から得られる知見や技術は、今後の自動運転車の社会実装を加速させるための重要な一歩となります。自動運転車の運行を支える通信環境の確立は、より安全で効率的な移動手段を実現するために不可欠です。
引き続き、これらの取り組みによって自動運転技術の進展とともに、安全で安心な交通体系の構築を目指していきます。
お問い合わせ先
本件に関する詳細は、株式会社三菱総合研究所まで。
メール:
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