TBMがベトナムでカーボンリサイクル素材プラント建設を計画
株式会社TBMが、ベトナムのハティン省で石炭火力発電事業を展開するVung Ang II Thermal Power LLC(VAPCO)および地元の大手建設会社Viet Hai Trading and Transportation Co., Ltd.との間で、カーボンリサイクルに関する基本合意(MOU)を交わしました。この合意に基づき、CO₂を再利用する「CR 炭酸カルシウム」を生産するプラントの建設が進められる予定です。
環境課題と経済発展のジレンマ
ベトナムは急速な経済成長を遂げる一方、温室効果ガスの排出量増加が大きな社会問題となっています。2030年までにGDP成長率を7.09%と予想される中、国内の電力構成は石炭火力に依存しており、今後の脱炭素化への道筋を模索しています。2024年のダボス会議でのTBMによるカーボンリサイクル素材「CR LIMEX」の発表を受け、多くの企業が環境への配慮を強化しています。
プロジェクトの内容
TBMとVAPCO、Viet Haiは共同で、太陽光や風力発電に頼らざるを得ない現状に対抗するため、既存の火力発電所を有効活用したカーボンリサイクルプロジェクトを推進します。具体的には、VAPCOの発電所から排出される年間約16万トンのCO₂を化学合成し、Viet Haiが供給する鉄鋼スラグを利用して「CR 炭酸カルシウム」の製造を目指します。この炭酸カルシウムは、建設資材として広く使用されることが期待されています。
カーボンリサイクルの可能性
「CR 炭酸カルシウム」は、建設内装材やプラスチックの代替素材としての利用が検討され、高付加価値な製品開発が進められます。これは、一般的な炭酸カルシウムの用途を超え、持続可能なマテリアルとしての動きを加速させるものです。さらに、CO₂の長期固定化とともに、カーボンクレジットを創出することで、環境への貢献を図ります。
企業の紹介
- - Vung Ang II Thermal Power LLC(VAPCO)
VAPCOは、ベトナム中部ハティン省において「Vung Ang II」火力発電所の建設と運営を行う企業です。大規模な電力供給を担い、地域経済の重要な柱として機能しています。
- - Viet Hai Trading and Transportation Co., Ltd.
この企業は、ハティン省で最大級の建材製造・建設企業であり、幅広い事業展開を行っています。特にコンクリート製造において高い技術を持ち、市場で重要な役割を果たしています。
未来への展望
TBMのカーボンリサイクルプロジェクトは、地域のサーキュラーエコノミーの加速とカーボンニュートラル転換に寄与することが期待されています。また、CO₂を効率的に資源化する技術は、全世界での環境問題解決に向けた一つのモデルケースとなることでしょう。この取り組みを通じて、いかにして持続可能な未来を築くか、注目が集まります。