前橋赤十字病院とシスコ、ユニアデックスの連携
昨今、医療機関をターゲットにしたサイバー攻撃が増加しており、特にランサムウェアによる被害が深刻化しています。このような状況の中、群馬県前橋市に位置する前橋赤十字病院が、シスコシステムズおよびユニアデックスと連携し、ネットワークのセキュリティ対策を強化することが発表されました。
新たな取り組み
前橋赤十字病院は、2024年12月末までに「Cisco XDR」を導入する予定です。この安全対策は、電子カルテネットワークやインターネット、患者用Wi-Fi等、複数のネットワークが混在する病院環境において、効果的に脅威を早期に検知し、対策を講じることを目的としています。これにより、病院内のセキュリティ製品の統合管理も実現し、セキュリティ人材不足にも対応することができます。
シスコとユニアデックスは、前橋赤十字病院が既に導入しているバックアップソリューションやその他のセキュリティシステムとCisco XDRを連携させることで、より強固な防御体制を築くことを目指しています。特に、Cisco XDRに搭載されるAIアシスタンス機能を利用し、運用の効率化や自動化にも取り組む予定です。
サイバーセキュリティの現状
最近、報道されるランサムウェアによるサービス停止のニュースは増加しており、多くの医療機関がセキュリティ対策の強化を求められています。特に前橋赤十字病院は、高度救命救急センターとしての役割を果たす中で、患者の大切な診療情報を守る必要があります。そのため、信頼性の高いセキュリティ基盤を構築することが急務となっています。
石原洋平氏(シスコシステムズ合同会社執行役員)は、「デジタル化が進む現代において、すべての企業・組織にとってセキュリティ対策の見直しは必要不可欠である」と述べ、シスコとユニアデックスの協力による取り組みに自信を示しています。
セキュリティの高度化
Cisco XDRの導入により、サイバー攻撃を早期に検知し、迅速に対処する能力が向上します。特にNDR(Network Detection and Response)機能が搭載されており、これにより不正な侵入を速やかに察知できます。また、Cohesityとの連携によって、ランサムウェアによる被害時にも迅速な対策が可能となる見込みです。
前橋赤十字病院では、Cisco XDRの導入を通じて、セキュリティ人材不足をカバーしつつ、運用の効率化と高度化に取り組むことで、地域社会に対しても安全・安心な医療の提供を実現していきたいと考えています。
今後、前橋赤十字病院はさらなる安全対策を追求し、地域の医療サービスを支える重要な役割を果たすことでしょう。これにより、セキュリティ面での懸念を払拭するだけでなく、患者への医療提供の質を一層向上させていくことを目指しています。