新たな結婚観に迫る長編小説『マリアージュ・ブラン』
2024年10月10日、株式会社PHP研究所から砂村かいりの最新作『マリアージュ・ブラン』が発売される。この作品は、今注目されている「友情結婚」という新しい結婚観をテーマにしており、心温まるストーリーを通じて読者に深い感動を提供する。
友情結婚とは?
「友情結婚」は、親しい友人同士が恋愛感情を持たず、互いの利害関係に基づいて結婚する新しい形態の結婚である。この考え方は、現代の多様化する価値観やライフスタイルを反映したものともいえる。著者の砂村かいりは、「ラベリングできない感情を描いていきたい」と語り、従来の結婚観から自由な発想を持った物語を展開する。
登場人物とストーリー
物語の舞台は、31歳の奈穂と尊の二人。彼らは元同級生で、プラトニックな夫婦として生活を共にしている。2人は本来の恋愛感情を持たず、経済的利益や社会的体裁を考え結婚を決めた。記念日を祝い合い、雪解けのような優しい関係を築いているものの、次第に二人の間に微妙な綻びが現れ始める。
書店員の絶賛の声
新作をひと足早く読んだ書店員からは、「心に沁みた」「切ないけれど前向きになれる作品」との高評価が相次いでいる。作品を通じて感じる主人公たちの関係性が、多くの読者の共感を呼び、多様な感情が織り交ぜられていることが、彼らの心に響くようだ。
- - 「物語の隅々までに、『友達』や『夫婦』という言葉を超えた、大切にしたい心が生きていました。」――紀伊國屋書店福岡本店 宗岡敦子さん
- - 「生きづらさを抱え、うずくまっている人に、そっと寄り添ってくれるような物語」――紀伊國屋書店久留米店 池尻真由美さん
これらの感想は、作品の幅広いメッセージ性を示しており、読者の心に寄り添う作品であることを物語っている。
砂村かいりプロフィール
砂村かいりは、2020年に第5回カクヨムWeb小説コンテスト恋愛部門で特別賞を受賞し、注目を集める作家。デビュー以来、軽やかな筆致と深みのあるキャラクター描写で多くの支持を得ている。過去作には『黒蝶貝のピアス』や『苺飴には毒がある』などがあり、11月には『炭酸水と犬』がPHP文芸文庫から刊行予定だ。
まとめ
『マリアージュ・ブラン』は友情結婚というテーマを通じて、現代の結婚観を問い直す作品となっている。友情を基にした新しい形の愛のかたちに興味がある方にとって、心温まる体験を提供する一冊になるだろう。発売を心待ちにしたい。