Raspberry Piが最新のマイクロコンピューター「RP2350」を発表
Raspberry Piは、2025年3月17日に新たなマイクロコンピューター「Raspberryシリコン - RP2350」の販売を開始しました。この製品は、独自に開発された「RP2350A」と「RP2350B」の二つのバリエーションから成り立っています。販売は、株式会社スイッチサイエンスを通じて行われます。
RP2350の概要
「RP2350」は、Cortex-M33とRISC-Vのデュアルアーキテクチャを搭載した非常に優れた性能を誇るマイクロコンピューターです。従来の「RP2040」に比べ、パフォーマンスが大幅に向上しています。特に、ARM Cortex M0+デュアルコアを基盤とした高い処理能力と、Arm TrustZoneを活用したセキュリティ機能が強化されています。
この高機能なセキュリティアーキテクチャは広範囲にわたって文書化されており、誰でも自由に利用可能です。この透明性の高いアプローチは、従来のセキュリティ手法とは一線を画すものであり、多くのハードウェア開発者にとって信頼性を提供します。2024年のDEF CONカンファレンスでは、RP2350の発表当日にハッキングチャレンジが実施されました。
具体的な機能
「RP2350」には、以下のような先進的な機能が実装されています:
- - デュアルCortex-M33プロセッサが150MHzで動作し、520 kBのオンチップSRAMを搭載。
- - 8KBの一時プログラマブルストレージ(OTP)を使用して、柔軟なデータ保存が可能です。
- - 最大16 MBの外部QSPIフラッシュストレージをサポートし、より大きなデータセットの処理が行えます。
- - 高度なセキュリティ機能に加え、フォールトインジェクション攻撃への対策も施されています。
これにより、ユーザーはセキュアな環境でアプリケーションを開発でき、またペリフェラルへのアクセスも広がります。さらに、ユーザーのニーズに合わせたカスタマイズ性も持っています。
開発基板としての活用
2024年11月25日には「Raspberry Pi Pico 2」がRP2350を搭載した形で発表され、開発コミュニティや、セキュリティが求められるプロジェクトに最適な基板として注目を集めています。RP2350は、これまで限定された開発基板でのコンポーネントとしてのみ利用可能でしたが、今回の発表により、一般ユーザーでも容易に手に入れることができるようになりました。
販売情報
RP2350は7mm x 7mmの「RP2350A」と10mm x 10mmの「RP2350B」のパッケージが用意され、スイッチサイエンスのウェブショップにて販売されます。具体的な販売形態は、7インチリール、13インチリール、及び10個パックの3種類があります。
- - Raspberryシリコン - RP2350A: 型番 RPI-RP2350A-7R (価格: 85,800円)
- - Raspberryシリコン - RP2350B: 型番 RPI-RP2350B-7R (価格: 99,000円)
また、スイッチサイエンスでは「RP2350」を搭載したオリジナル基板の開発も行っており、企業からの開発委託のご相談にも対応しています。これにより、企業や個人が新たな製品開発を手掛けることが可能になります。
まとめ
Raspberry PiのRP2350は、高度な性能とセキュリティ機能を兼ね備えた次世代マイクロコンピューターです。一般消費者向けの販売開始により、今後ますます多くの開発者がこの製品を利用し、新たなイノベーションを生み出すことが期待されます。興味がある方は、ぜひスイッチサイエンスの公式ウェブショップを訪れてみてください。