次世代太陽電池技術
2025-08-18 10:55:53

住友重機械工業が開発した次世代ペロブスカイト太陽電池技術とは

住友重機械工業が切り拓く新たな太陽電池の未来



住友重機械工業株式会社(本社:東京都品川区)が、ペロブスカイト太陽電池向けの革新的な電子輸送層成膜技術を開発しました。この新技術は、環境負荷を低減しつつ、コスト効率の高い生産が可能になると期待されています。この技術は、次世代の太陽電池として注目を集めているペロブスカイト太陽電池において欠かせない要素なのです。

ペロブスカイト太陽電池とは?



ペロブスカイト太陽電池は、発電層として「ペロブスカイト」という特有の結晶構造を持つ材料を使用しているのが特徴です。このタイプの太陽電池は、シリコン太陽電池と同等のエネルギー変換効率を持ちながら、生産時に必要なエネルギーが少なく、設置条件の自由度も高いという利点があります。日本政府も、ペロブスカイト太陽電池を次世代型太陽電池戦略の一環として位置付けています。

新技術の特徴とは



住友重機械工業の新たに開発された技術、反応性プラズマ蒸着法(RPD法)は、電子輸送層を形成するための革新的なアプローチです。このRPD法は、以下のような特徴があります。

1. 低温・低ダメージ: ペロブスカイト層を損なわないように、低温で成膜を行います。
2. 大面積・高速成膜: 成膜速度が従来の200倍以上に達し、大規模生産が可能です。
3. 環境負荷が小さなガス利用: 危険性のない材料を使用し、環境に配慮したプロセスで形成。

このRPD法によって、酸化スズ(SnO2)膜が薄く均一に形成され、電子の流れを適切に調整する機能も確保されています。これにより、電子輸送層として適度な絶縁性を持った膜が可能になり、従来の高エネルギー粒子や高温を必要とする方法に代わる選択肢として浮上しました。

成膜技術の実績と今後の展開



さらに、RPD法は太陽電池だけでなく、フラットパネルディスプレイや有機ELパネル向けの形成装置としても実績があります。これにより、電子輸送層の成膜と透明導電膜の形成を連続して行うことができ、工程の効率化が図られます。未来の太陽電池の普及に向け、住友重機械工業はこの成膜技術を量産化し、製造工程への適用を目指しています。

まとめ



新しい成膜技術の開発は、ペロブスカイト太陽電池の市場をさらに拡大し、持続可能なエネルギーの未来を形作る鍵となるでしょう。これにより、カーボンニュートラル社会の実現も現実に近づくことが期待されます。住友重機械工業が提供するこの画期的な技術に目が離せません。


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会社情報

会社名
住友重機械工業株式会社
住所
東京都品川区大崎2丁目1番1号ThinkParkTower
電話番号

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